医療事故の調査に関する新制度の設置へ
医療事故に関する調査や、原因究明を取り扱っている厚生労働省の検討部会は、4月18日に医療に関連する行為において、患者が死亡するケースが発生した場合の、原因調査に関する具体案をまとめた。第一に医療機関が院内での調査を行い、その後、遺族の合意が得られない場合には、新しく設置される民間側の第三者機関へゆだねるという新制度案である。
厚労省は、検討部会を昨年の2月に設置し、医療事故に関して議論を進めてきたが、今回の新制度案への合意により、今秋をめどとし、臨時国会に、具体的なガイドラインを定めたうえで、医療法改正案として提出する方針と想定される。
2008年6月に、厚労省は「医療事故安全調査委員会」を定める方針であったが、意見がまとまらず、実現には至らなかった。
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再調査にあたる第三者機関は中立を保てる民間の組織
医療事故とは、医療に従事する人間の過誤や過失を問わずに起こりうるものであるが、医療に関わる場所でおこる人身事故である。遺族の納得が得られない場合の調査にあたるに関し、病院側が院内調査を実施し、中立を保てる第三者機関に報告をする義務を負うことになる。
第三者機関は民間組織との案が強まっており、独立的組織であることが望まれる。現在、患者の異常死を医師が確認したときのみに警察に届けがなされるが、続行され、一方で第三者機関からの警察への届けはなされない。
医療事故の原因調査の対象は死亡事故のみでなく、その他のケースにも対応して行く方針だ。(今村香織)