4月19日リリース
国内の骨粗鬆症患者数は現在約1,280万人以上と推定されている。骨折による寝たきりを予防し患者のQOL維持や改善をはかることが骨粗鬆症の治療目的であり、骨量を増やす薬剤の重要性が高まっている。
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中外製薬株式会社(以下、中外製薬)と大正製薬株式会社(以下、大正製薬)は、欧州骨粗鬆症会議2013年次会で、日本で共同開発中のビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(骨粗鬆症を予定適応症として。以下、イバンドロネート注射剤)の国内第2/3相臨床試験(MOVER試験)についての試験成績を発表した。
試験成績の概要
この国内第2/3相臨床試験は骨粗鬆症患者1,265名を対象とした無作為化二重盲検群間比較試験。「イバンドロネート注射剤」の3年間での椎体骨折(脊椎圧迫骨折)の発生頻度と安全性を、リセドロン酸ナトリウム水和物(2.5mg錠 連日経口投与)を対照とし検討した。
同試験では、「イバンドロネート注射剤」0.5mgまたは1mgを1カ月に1回静脈内注射にて3年間投与。結果として、主要評価項目である椎体骨折の発生頻度において、リセドロン酸ナトリウム水和物に対して「イバンドロネート注射剤」の非劣性が達成された。
3年間投与の椎体骨折発生頻度の推定値は、「イバンドロネート注射剤」0.5mg(19.9%)、同1mg(16.1%)、リセドロン酸ナトリウム水和物(17.6%)の順であった。
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また、3年間投与後の腰椎骨密度増加(ベースラインからの変化率)は、「イバンドロネート注射剤」0.5mg(7.7%)、同1mg(9.0%)、リセドロン酸ナトリウム水和物(7.6%)の順であった。
安全性についても、海外で得られている試験結果などと大きく異なるものではなく、骨粗鬆症患者に対する「イバンドロネート注射剤」の良好な忍容性が認められた。
中外製薬と大正製薬は、「イバンドロネート注射剤」を患者ならびに医療従事者へいち早く提供できるよう、早期承認を目指して取り組む。
【参考】
イバンドロン酸ナトリウム水和物は、海外ではロシュ社が「閉経後骨粗鬆症」の治療薬として、月1回投与の経口剤および3カ月に1回投与の注射剤を、また予防薬として、月1回投与の経口剤を、Bonviva(R)、米国ではBoniva(R)の販売名で販売している。(佐々木理恵)
▼外部リンク
中外製薬ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/detail/