医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 中外製薬・大正製薬がビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤の試験成績を発表

中外製薬・大正製薬がビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤の試験成績を発表

読了時間:約 1分32秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年04月22日 PM05:13

4月19日リリース

国内の骨粗鬆症患者数は現在約1,280万人以上と推定されている。骨折による寝たきりを予防し患者のQOL維持や改善をはかることが骨粗鬆症の治療目的であり、骨量を増やす薬剤の重要性が高まっている。

(この画像はイメージです)

中外製薬株式会社(以下、)と大正製薬株式会社(以下、大正製薬)は、欧州骨粗鬆症会議2013年次会で、日本で共同開発中のビスホスホネート系骨吸収抑制剤イバンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(骨粗鬆症を予定適応症として。以下、イバンドロネート注射剤)の国内第2/3相臨床試験(MOVER試験)についての試験成績を発表した。

試験成績の概要

この国内第2/3相臨床試験は骨粗鬆症患者1,265名を対象とした無作為化二重盲検群間比較試験。「イバンドロネート注射剤」の3年間での椎体骨折(脊椎圧迫骨折)の発生頻度と安全性を、リセドロン酸ナトリウム水和物(2.5mg錠 連日経口投与)を対照とし検討した。

同試験では、「イバンドロネート注射剤」0.5mgまたは1mgを1カ月に1回静脈内注射にて3年間投与。結果として、主要評価項目である椎体骨折の発生頻度において、リセドロン酸ナトリウム水和物に対して「イバンドロネート注射剤」の非劣性が達成された。

3年間投与の椎体骨折発生頻度の推定値は、「イバンドロネート注射剤」0.5mg(19.9%)、同1mg(16.1%)、リセドロン酸ナトリウム水和物(17.6%)の順であった。

(この画像はイメージです)

また、3年間投与後の腰椎骨密度増加(ベースラインからの変化率)は、「イバンドロネート注射剤」0.5mg(7.7%)、同1mg(9.0%)、リセドロン酸ナトリウム水和物(7.6%)の順であった。

安全性についても、海外で得られている試験結果などと大きく異なるものではなく、骨粗鬆症患者に対する「イバンドロネート注射剤」の良好な忍容性が認められた。

中外製薬と大正製薬は、「イバンドロネート注射剤」を患者ならびに医療従事者へいち早く提供できるよう、早期承認を目指して取り組む。

【参考】
イバンドロン酸ナトリウム水和物は、海外ではロシュ社が「閉経後骨粗鬆症」の治療薬として、月1回投与の経口剤および3カ月に1回投与の注射剤を、また予防薬として、月1回投与の経口剤を、Bonviva(R)、米国ではBoniva(R)の販売名で販売している。(佐々木理恵)

▼外部リンク

中外製薬ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/detail/

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 【インフル流行レベルマップ第50週】定点当たり報告数19.06、前週比+9-感染研
  • 胃がんの化学療法、個人ごとの効果予測が可能なAI開発に成功-理研ほか
  • 「社会的孤独」による動脈硬化と脂質代謝異常、オキシトシンで抑制の可能性-慶大ほか
  • 胎児期の水銀ばく露と子の神経発達に明らかな関連なし、エコチル調査で-熊本大ほか
  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか