厚生労働省は19日、「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」に一般薬のリスク分類ごとの情報提供に関する考え方を提示した。医薬品の適正使用のために専門家が購入者側から収集すべき情報として、第1類は症状の発生部位や重篤度などの情報を“最大限収集”する必要があるとした。第2類は“多くの情報を収集”するとしたが、指定第2類は第1類に準じた情報の収集を求めている。
第1類については、リスクが高い、または一般用としての使用経験が少なくリスク不明であり、購入者側から使用者に関して収集され得る「最大限の情報が必要」とした。第2類は「多くの情報が必要」としたが、指定第2類は「第1類に準じた情報が必要」と情報収集のハードルを上げた。
受診勧奨の必要性では、第1類には医療用からスイッチされて間もないものや、医療用類似成分もあり、使用者の状況に応じて“積極的かつ確実な受診勧奨”が必要としたが、第2類は“適切な受診勧奨”を求めた。
収集する情報の例として、▽症状の発生部位▽症状の重篤度▽症状履歴▽症状の原因推定▽随伴症状▽過去の服薬状況▽アレルギー・副作用歴――などを挙げた。
こうした考え方をもとに、ネット販売、対面販売で安全に医薬品を販売するために収集しなければならない情報の種類や、情報提供のあり方を整理すべきとの意見が出たが、議論は深まらなかった。
また厚労省は、諸外国での一般薬ネット販売規制状況調査の結果も報告。英国やドイツ、米国、ポルトガル、豪州、ニュージーランドなどでネット販売が行われていたが、フランスやイタリアなど販売ルール規定がない国もあった。
世界保健機関(WHO)が2009年に114カ国に行った調査結果も紹介。
中国、チェコ、フィンランド、米国など8カ国はネット販売を認める規定があり、アルゼンチン、オーストリア、ベルギー、韓国など21カ国はネット販売を禁止する規定があるとしている。
これを踏まえWHOは、医薬品のネット販売は、幅広い電子健康サービスの中核として早期に実現したが、透明性、不正行為、製品の品質、倫理面で疑問視されており、ネット販売が始まって10年以上経過した現在でも、合法性などに関する疑問があるとしている。