登録販売者試験で、受験資格に必要な実務経験時間を偽った不正受験者が33事業者で延べ1064人に上る疑いのあることが、厚生労働省が実施した実態調査の中間報告で分かった。大規模な不正が発覚した西友、カメガヤのほかにも、ドラッグストアやスーパー等で数百人単位の不正受験者が発覚した。
昨年11月に不正が発覚した西友で実務経験証明の有無を確認したところ、2008年4月1日から昨年11月7日までに、20都道府県の試験で不正が行われたことが判明。3月末時点で、不正が疑われた受験者も含めた延べ人数は310人に上った。そのうち合格者は125人、不合格者は57人、未受験者は1人で、現在も127人について調査中。
カメガヤの事例では、08年4月1日から不正が発覚した昨年11月19日までに、13都道府県で実務経験を偽った受験者が、3月末時点で延べ485人に上ることが判明。そのうち、合格者は136人、不合格者は155人、未受験者は4人となり、190人が調査中。
さらに、都道府県を通じて、過去に発行した実務経験証明について薬局等に自主点検を行った結果、ドラッグストアやスーパー等の31事業者で実務経験証明に不正か不正の疑いのあることが分かった。不正な実務経験証明による受験者は延べ269人とされ、西友、カメガヤの事例を合わせて不正受験が1000人以上の規模に上る。
厚労省は、現在も登録販売者試験の不正受験の事実について調査を継続中で、今後も不正受験者数が膨らむ可能性がある。ただ、実務経験証明については、昨年度の登録販売者試験から勤務簿の写し等の添付を義務づけており、現時点で西友とカメガヤの事例でも不正受験者が1人にとどまっていることから、「不正証明の防止への効果があった」とし、今後も勤務簿の写し等の添付、名札の着用等の遵守を徹底していく。