アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、慢性的に湿疹病変を繰り返す皮膚の疾患のことである。アトピーという名前は「場所が不特定 という意味のギリシャ語「アトポス」 が由来で、アトピー性皮膚炎という言葉は、1933年から医学用語として使われた。
一般的に、幼小児期に症状が出て、年齢とともに変化していく。かゆみが強く、引っかくことによる傷ができる。合併症として、喘息やアレルギー性鼻炎を伴う場合もある。また、皮膚のバリア機能が低下するため、とびひ、みずいぼ、単純ヘルペス(カポジ水痘様発疹症)など様々な皮膚の感染症がみられる。また、眼のまわりの湿疹を繰り返し叩いたり擦ったりする刺激により、網膜剥離や白内障に至るケースもある。
(画像はウィキメディアより)
アンジェス MG、第1相試験合意
アンジェス MGは、塩野義製薬との間で、NF-κBデコイオリゴを使用したアトピー性皮膚炎治療薬の第1相試験入りに合意したと発表した。NF-κB は、細胞が炎症や免疫反応を活性化する際に働く主要な転写因子のことで、これが活性化すると、異常な炎症や免疫関連の反応を引き起こす。デコイオリゴは、染色体DNAの転写因子結合部位と同じDNA配列を含む二本鎖の短いDNAからなる核酸医薬品である。NF-κBデコイオリゴは、NF-κBの活性化を阻害し、過剰な炎症反応を抑えることが期待されている。本剤は、刺激が強く副作用が多かった既存の治療薬にかわり、刺激性の少ない新しい作用機序の薬剤として考えられている。本第1相試験は、本年6月ごろに開始が予定されている。(堤朝子)
▼外部リンク
アンジェス MG ニュースリリース2013年4月17日
http://www.anges-mg.com/