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中央社会保険医療協議会、後発品工程表に厳しい意見―医師委員からは薬剤師批判

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2013年04月12日 AM09:39

■厚い報酬へ疑問相次ぐ

中央社会保険医療協議会は10日に総会を開き、厚生労働省から後発品のさらなる使用促進に向けたロードマップ策定の報告を受けた。ただ、診療側委員の医師から、特にロードマップの課題で診療報酬上のさらなるインセンティブが必要とされたことに対し、「もう薬剤師には必要ないのではないか」「後発品に関する文書説明をして当然」と不快感が示され、薬剤師に厳しい意見が相次いだ。思わぬ形で調剤報酬の後発品加算に議論が飛び火した格好となった。

総会に臨む診療側委員

この日の総会では、厚労省が5日に発表した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を説明した。

三浦洋嗣委員(日本薬剤師会副会長)は、2012年度診療報酬改定を検証した調査結果で、薬剤情報提供文書を用いた患者への口頭説明割合が3割にとどまったことを挙げ、「そういうことがないよう薬局として努力する」と明言した。

ただ、医師の診療側委員からは、ロードマップに批判的な見方が相次いで示された。特に医療保険上の課題として、医師や薬剤師の後発品への理解が進むようなさらなるインセンティブの検討が必要としたことに批判が集中した。

安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、「インセンティブの内容以前の問題。エサをぶら下げて進めるという話じゃない」と一蹴。「インセンティブの議論をされるのは不愉快」と不快感を露わにした。

嘉山孝正委員(全国医学部長病院長会議相談役)も「インセンティブをさらに付けるというのは、おかしな議論」と同調。特に薬剤師を名指しし、「文書説明は当然の義務。それをやって加算を取るのはとんでもない話」と批判した。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)も、「もう薬剤師へのインセンティブはいいのではないか」とけん制。調剤報酬の手厚い後発品加算への批判に発展した。

これに対し、三浦委員は「薬局では患者の理解度に応じて後発品の説明に時間をかけている。在庫負担の多さも分かってほしい」と理解を求めたが、医師側の相次ぐ薬剤師批判に苦しい立場を強いられた格好となった。

さらに、ロードマップに関連して後発品の品質への疑問も噴出。依然として根強い不信感が浮き彫りになった。鈴木委員は、「日本では後発品メーカー間の格差も大きく、それが不信につながっている」と強調。メーカー間格差の是正を求めた。

嘉山委員は、後発品の使用が進まない背景について「薬理作用の不安が常にある」と指摘。さらに安達委員は、降圧剤等の大型製品の特許切れに20社以上が参入し、先発品の薬価と10倍以上の開きがあることを問題視。「これでは品質に不信感を持つのも当然。政府が品質を管理していることを国民にきちんと情報公開すべき」と求め、後発品薬価の開きを検証するよう要求した

■スタリビルド配合錠、16日に緊急薬価収載

また、16日付で日本たばこ産業の抗HIV薬「スタリビルド配合錠」の薬価収載を了承した。

スタリビルド配合錠は、新有効成分のエルビテグラビル、コビシスタット、既存成分のエムトリシタビン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含有した配合剤。効能・効果はHIV‐1感染症で、MSDの抗HIV薬のラルテグラビルカリウム、アボットジャパンのリトナビル、日本たばこのエムトリシタビン、テノホビルジゾプロキシルフマル酸塩を比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定した。

算定薬価は、1錠6749・30円。予測市場規模は、ピーク時の10年目が3000人の72億9000万円。なお、HIV治療薬は原則的に全例調査が義務づけられるため、14日の処方制限を設けないことも了承した。

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