児玉氏はネット販売に関し、「この問題で走り回っている。全面解禁を主張する大きな声が聞こえ、大変厳しい状況になっている。ネット事業者は責任は取らず、自己責任を主張しているが、日本の土壌には合わない」との認識を示した。
また「薬局等における対面販売強化のための行動計画」をまとめ、声かけ運動、販売者責任カードの配布・活用、ポスター掲示などにより、「薬は薬剤師と相談してから使用する」という対面販売の重要性をアピールしていくこととし、今月10日から5月15日までの強化月間での協力を求めた。
会長会では中央社会保険医療協議会での審議状況や電子処方箋の実現、後発品使用促進に向けた新たな動き、日薬120周年記念事業の進捗状況、都道府県薬剤師会運営費負担金の交付のあり方などが報告された。
後発品の使用促進に向けた新たなロードマップにつき、三浦洋嗣副会長が中医協での審議状況に触れ、「薬局が薬を説明するのは当然のこと。インセンティブは必要ないとさんざん言われている」とし、実際の現場の状況が理解されていないことを示唆した。また、中医協のアンケート調査結果を挙げ、患者に対する説明、情報提供が不十分と指摘されているのも事実とし、さらなる改善に向けた協力を求めた。
都道府県薬剤師会会長の一部から、現場の努力をもっと訴えてほしいとの切なる声が上がったほか、日薬以外の他団体がどのような後発品使用促進に向けた努力をしているのかも検証の対象ではないかとの考えも示された。三浦氏も何らかの対応を考えるとの方針を示した。
一方、都道府県薬運営費負担金交付の取り扱いについては、東京国税局の口頭による見解として、「日薬が支払う都道府県薬への運営費の助成(運営費負担金)は、消費税の課税対象外(不課税)」となることを紹介。都道府県薬においては「管理費」として利用するよう求めた。これに対し、地方と見解が本当に一致するかと懐疑的な意見が出され、何らかの文書による“証明”を求める意見も出された。
このほか、薬局のIT化施策が矢継ぎ早に示される中、調剤録の保管場所が電子媒体により、薬局以外の場所での保存を可能とする通知が示されたことについて、土屋文人副会長は「急きょ発せられたものであり、具体的にどう対応すべきか、日薬としての具体的な対応のあり方を近く示す」とし、現場での混乱を避けるべく対応する方針を示した。