コンピューターゲームやテレビは、子どもにとって良いのか悪いのか。前回は、マイナスの報告を取りあげました。睡眠に影響が出たり、記憶のメカニズムに影響が出たりするというものです。
今回は、コンピューターゲームなどが子どもに及ぼす、プラスの影響についてを取りあげます。
アメリカのチームによって報告されている調査では、16歳の高校生が対象になっています。この調査では、コンピューターゲームで遊ぶことの害と解釈されるようなことは見られなかったそうです。
ゲームをいつもしている子どもと、あまりゲームをしない子どもを比べると、いつもゲームをしている子どもの方が、家族との関係や、学校での積極性、精神の健康状態や友人関係などすべてにおいて、より高いスコアとなったそうです。
別の調査では、大学生の男性を対象に、サイクリングマシーンでの運動と、相互作用の見られるコンピューターゲームを組み合わせて、健康への影響を評価したものがありました。
対象となった人が、週3回、30分のトレーニングを6週間行って、前後での身体機能についてのデータを評価しました。
すると、同じ身体的なトレーニングをしていたにもかかわらず、ビデオゲームを組み合わせていた人の方が、6週間後の呼吸器や循環器系のデータが優れていたのです。つまり、同じ条件下では、ゲームで遊ぶことが健康に悪影響をもたらすとは見られなかったばかりか、ゲームをした方が健康に良いかもしれないという状況にすらなったのです。
こうした研究経過が発表されるようになり、現在ではコンピューターゲームやテレビからの情報をただ否定すべきではないという考え方が主流になっています。次々と生まれるコンピューター製品には、つい慎重になってしまいますが、のっけから悪者扱いせずに色々と試してみると良さそうです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Not so doomed: computer game play and positive adolescent development
http://www.sciencedirect.com/science/article/
The health benefits of interactive video game exercise
http://www.nrcresearchpress.com/doi/abs/10.1139/