コンピューターゲームやテレビは、子どもの生活に大きな影響を与えています。テレビやゲームが及ぼす影響は、良いものも悪いものもあり、一概に判断することは難しいものです。今回は、テレビやゲームの危険な点をご紹介します。
これまでも、子どもたちがインターネットやテレビによる情報の洪水にさらされることに対しては、行動様式に悪影響を与えると指摘されてきました。
テレビの見過ぎや、コンピューターゲームのしすぎでは、感情や行動に関してのトラブルが見られてきます。体の不調を訴えたり、注意力散漫になったり、興奮気味であったり、家族との意志の疎通がうまく取れなくなるとも言われてきました。また、睡眠パターンにも影響が出るとされています。
ドイツの研究チームが、11人の学童期の子どもたちに、長時間テレビを見たり、ゲームをさせたりして、これらが子どもたちの睡眠パターンと、記憶のメカニズムに及ぼす影響を追跡した調査があります。眠りのパラメーターと、視覚的な記憶、聴覚的な記憶の調査を行いました。
コンピューターゲームを長時間行った子どもたちでは、眠りが浅く、聞いたり話したりしたことに関する記憶の働きが低下していました。一方で、テレビを見た子どもたちでは、眠りは浅くなっていましたが、睡眠のパターンそのものには変わりは見られませんでした。
こうした調査結果からも、テレビやゲーム漬けになるような環境を避ける必要があります。とはいえ、ゲームによるメリットも、科学的に認められて報告されています。
急速に発展してきたコンピューターに関しては、多くの大人は自分自身の子ども時代とは状況が違うために、試行錯誤の状態になります。子どもたちに対して、やたらにコンピューターばかりと関わらせたり、むやみに遠ざけたりするのではなく、情報を適切に判断して子どもの環境に適応させる能力が大人たちに求められていると言えるでしょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Impact of Singular Excessive Computer Game and Television Exposure on Sleep Patterns and Memory Performance of School-aged Children
http://pediatrics.aappublications.org/
Not so doomed: computer game play and positive adolescent development
http://www.sciencedirect.com/science/article/