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厚生労働省、後発品促進でロードマップ―新目標「17年度に数量シェア60%以上」

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2013年04月10日 AM10:18

厚生労働省は5日、後発品の使用促進に向けた新たなロードマップを発表した。後発品の新たな数量シェア目標は、長期収載品と後発品を含めた置き換え率の新指標を用い、2018年3月末までに60%以上を目指すと明記。業界団体に供給指針の策定、全後発品メーカーに「安定供給マニュアル」の作成を求め、ロードマップの達成状況をモニタリングすることを盛り込んだ。数量シェア目標や後発品メーカーに課す取り組みについては、モニタリングの結果を踏まえ、見直しを行うとした。

数量シェアの新目標は、後発品に置き換えられる先発品と後発品をベースとして設定した。アクションプログラムでは、旧指標で05年9月時点の数量シェア16・8%を13年3月末までに30%にすることを目標にしていたが、この伸び率を前提に5年後までに60%以上とする新指標を設定した。新指標では、昨年9月時点の数量シェア22・8%は40%に相当し、18年3月末の60%は旧指標で34・3%となり、5年間で約1・5倍増を目指すものとなる。厚労省は「後発品の置き換えが進んでいることを考えると高い目標」としている。

ロードマップでは、モニタリングの強化を打ち出した。業界団体の日本ジェネリック製薬協会に13年度中に「ジェネリック医薬品供給ガイドライン」の策定を求めた上で、各社には指針に準拠した「安定供給マニュアル」の作成を促す。指針には、平均2カ月以上の在庫確保や原薬のダブルソース化等を盛り込んだ。

さらに、これまでGE薬協にとどまっていたモニタリングの対象を全ての後発品メーカーに拡大し、取り組み状況のチェックを強化する。GE薬協に加盟していない後発品メーカーに対しては、アンケート調査を実施してマニュアル作成状況等を把握していく。

都道府県に対しても、市区町村、保健所レベルの協議会を設置し、地域レベルで進める差額通知事業や採用医薬品リストの作成等の活動に関するモニタリングを行い、全ての関係者の取り組み状況を確認する。その上で、モニタリングの結果や海外の状況を踏まえてロードマップの見直しを行い、品質確保や診療報酬上のインセンティブ等を追加していく。

厚労省は「きちんとモニタリングをしていくことがロードマップのポイント」としている。モニタリングの詳細な設計は今後検討し、「踏み込んだことをやっていく」模様だ。

■薬学教育で後発品促進

具体的な取り組みとして、安定供給については、品切れ状況を把握するため、医療機関や保険薬局にモニタリング調査を行って公表するほか、後発品メーカーに数量シェア60%を実現するよう原薬調達や供給能力に関する計画作成を求める。後発品メーカーに責任のない場合を除き、15年度中に品切れゼロとする目標も掲げた。

また、今年度から医薬品卸のMSを活用した情報提供体制の構築を検討するほか、薬学教育で後発品の使用促進に関する教育内容の充実を促す。さらに、医療保険上の対応としては、医療機関に対し、後発品への変更に差し支えがあると判断した場合を除いては、処方箋の「変更不可」欄にチェックしないことを周知すると共に、保険薬局に対して患者への情報提供を欠くことのないよう周知徹底を行う。診療報酬上の使用促進策については、中央社会保険医療協議会で検討するとした。

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