自民・公明・民主などの超党派による「薬害再発防止の制度実現に取り組む国会議員連盟」は2日、設立総会を開いた。会長に自民党の尾辻秀久元厚生労働相が就任、事務局長には、みんなの党の川田龍平参院議員が就いた。今後、週1回程度のペースで議論を重ね、薬害を防止するため医薬品行政を監視・評価する第三者機関の創設に必要な関連法案を5月の連休明けをメドにまとめ、今国会中の提出を目指す。
第三者機関の設置は、2010年4月の「薬害肝炎事件の検証および再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の最終提言や、12年1月の厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会の報告書が求めていたもので、民主政権時代の歴代厚労相らが、12年の通常国会に第三者組織設置のための薬事法改正案を提出することを薬害肝炎原告団などに明言していた。
しかし、12年4月に当時の小宮山厚労相が税と社会保障の一体改革関連法案の審議優先などから、政府案を今国会に提出するのは難しいと表明。議員立法による提出を目指したが、薬害被害者らが内閣提出法案としての国会提出を求めたことや、昨年末の解散・総選挙などにより法案提出に至らなかった。
自民党の福岡資麿参院議員は、「だいぶ時間も経っている。一刻も早く第三者機関の設立に向けて動く必要がある」と強調。川田氏も「できるだけ会議の頻度を上げて、検討を進めていきたい」と参加した議員に協力を求めた。
会議終了後、川田氏は、内閣提出法案と議員立法のどちらで立法化を進めるのかについて、当面は閣法での提出を目指すが、患者や薬害被害者が納得できる組織を作るという観点から、議員立法での提出も含め、検討していく考えを示した。
この日の会合では、薬害肝炎全国原告団の山口美智子代表が、「薬害根絶のためには、形だけの組織を創っても意味はない」と指摘。第三者組織は、「薬害再発防止の機能を果たすことができる、独立性・専門性・機動性を備えた、実効性のあるものにすべき」と訴えた。