過敏性腸症候群の腹痛を抑制
ビオフェルミン製薬は乳酸菌の一種であるフェーカリス菌SF3B株が過敏性腸症候群に伴う腹痛を抑制することを実証した。
過敏性腸症候群(IBS)は大腸に潰瘍などの器質的病変が認められないのに腹痛、腹部不快感、下痢、便秘などが慢性的に繰り返される機能性消化管障害で、近年急増している。
IBSの治療にはストレス因子の排除、抗不安薬投与などの対症療法が行われている。また乳酸菌製剤は腸内菌叢のバランスを整えることで便通異常を改善する整腸剤であるため、すでにIBS患者に対して使用されている。しかし他の主症状である腹痛についてはこれまでその効果が明らかではなかった。
そこで過敏性腸症候群を発症したラットに、整腸剤の新ビオフェルミンSとビオフェルミン配合散に含有されているフェーカリス菌SF3B株を投与して腹痛(内臓痛覚過敏)に対する効果を調査した。3週間連続で経口投与をした結果、SF3Bの菌数に依存した内臓痛閾値の有意な増加が認められ、腹痛の抑制が確認された。
結腸粘膜における肥満細胞のヒスタミン遊離を抑制
さらにIBSの病態発症に結腸粘膜における肥満細胞の増加と活性化の関与が報告されていることから、SF3Bが肥満細胞に及ぼす影響を検討した。すると肥満細胞からのヒスタミン遊離に対して、SF3Bの菌数によって抑制することがわかった。これは結腸粘膜における肥満細胞の脱顆粒を抑制する可能性を示唆している。(馬野鈴草)
▼外部リンク
ビオフェルミン製薬株式会社
http://www.biofermin.co.jp/