遺伝子情報を解析
三重大と名古屋市立大などの研究グループは29日、日本人の遺伝子情報を解析し、透析や移植が必要な末期腎不全だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなる慢性腎臓病の発症と強い関連性がある遺伝子を発見したと発表した。
研究チームは、日本人3851人(慢性腎臓病患者1352人、非患者2499人)のゲノム(全遺伝子情報)を解析し、多くの慢性腎臓病患者で、4番染色体上の1個の遺伝子と3番染色体で、慢性腎臓病を患っていない人と違う塩基配列があることが分かった。
この発見により、慢性腎臓病発症の危険性を予測するとともに、これらの遺伝子の働きを抑える薬剤を開発することで効率的な治療が可能となる。
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効率的な治療に期待
慢性腎臓病とは、慢性に経過するすべての腎臓病を指す。
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009(社団法人 日本腎臓学会 編)によれば、患者数は1330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられており、新たな国民病とも言われている。
また、腎臓は一度あるレベルまで悪くなってしまうと、自然に治ることがなく、自覚できる症状が現れる頃には、すでに慢性腎臓病が進行している場合が多い。
体調の変化に気をつけているだけでは早期発見が難しいだけに、この遺伝子の発見が慢性腎臓病の治療にとって重要な意味を持っているといえる。
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