15の言葉を並べたリストを作ってみてください。しばらくして、リストの内容を思い出してみたときに、どの部分を覚えているか、忘れているかによって認知機能の低下を早い時期に発見できるそうです。
通常、忘れっぽいとされる人は、リストが後ろの方に行くに従って思い出せない確率が高まります。これは、ものを覚えようとする時の初頭効果の働きで、最初の方の言葉がより印象的に、記憶に植えつけられ、簡単に再生されるのです。
一方、リストの後ろの方の言葉が、容易に思い出される場合は、初頭効果に対して親近効果(親近性効果)といわれます。
先日発表された研究結果では、15の言葉の最初の4つを忘れてしまう親近効果が見られる人は、初頭効果が見られる人と比べて、4年後に認知機能の検査の結果が劣ることが分かったのです。
調査に参加したのは、認知症や精神疾患兆候が見られない、60歳から91歳の200人。15の言葉のリストを5回読み、その20分後にリストの内容を思い出してもらうという、至って簡単な方法です。
このうち70人は、4年間のうちに認知機能の低下が見られました。そして、最初の方の言葉を忘れてしまっていた人たちの間では、認知機能の低下の度合いがよりはっきり見られたのです。
今回の調査の結果は、脳の海馬という記憶を司る部分に、ダメージがあると、この初頭効果に影響が及ぶという、過去の報告を裏付けるものとなったそうです。
とても簡単な、15の言葉チェック。将来に備えて、時々試してみてはいかがでしょうか。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Forgetting first words on a list may signal mental decline
http://www.foxnews.com/health/2013/03/08/
Decreased Recall of Primacy Words Predicts Cognitive Decline
http://acn.oxfordjournals.org/content/28/2/