有効性実証例も次々
設置が普及しさまざまな場所で目にすることが多くなった自動体外式除細動器(AED)。心停止した患者に有効で、実際、スポーツ大会等で使用され、その有効性を実証した例も次々出ている。だが、設置から時間が経過し、バッテリー切れなどで作動しないおそれがあるAEDがあるとして、総務省が厚生労働省に改善を求めた。
(Wikipediaより引用)
設置済みの8割に「問題あり」
2012年2月から7月にかけ、北海道・群馬・山梨・長野の217か所で、総務省がAEDの管理状況を調べたところ、8割以上に当たる180か所で問題が見つかったという。これを受けて総務省は厚労省に対して、実態を分析したうえで適切な管理を行うよう改善し、必要な措置を講じるよう求めた。
日本で心肺蘇生法が注目されることになったきっかけの一つが、1986年の女子実業団バレーボールの試合。アメリカ出身のフロー・ハイマン選手(当時33歳)がベンチ前で突然倒れ、救命措置を受けることなくなくなるという痛ましい事故だった。欧米では常識となっている心肺蘇生法を主催者、スタッフの誰一人として行わなかったことが問題視された。
さらに、2002年には、カナダ大使館でスカッシュをしていた高円宮殿下(当時47歳)が心室細動で突然倒れ、亡くなる事故があった。この事故で「心室細動」という言葉を初めて聞いた人も少なくなく、対処法としてAEDに注目が集まった。その後、広くAEDが普及したが、一定期間が経過したことで、バッテリー切れなど今回見つかった問題が浮上した形だ。
総務省の調査では、問題のあった180か所のうち、66か所は日常点検をしておらず、26か所でバッテリーが切れるなどしており、正常に使用できない恐れがあったという。今後は「設置しているから安心」というのではなく、定期的な点検と、一定期間を経たAEDの更新などがクローズアップされそうだ。(木村了)
▼外部リンク
AED設置場所検索
http://www.qqzaidan.jp/AED/aed.htm