■総会開く
日本薬学会の代議員総会が27日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれ、新会頭に柴崎正勝氏(微生物化学研究会微生物化学研究所所長)が就任した。任期は2013年度から2年間。このほか任期2年の副会頭には太田茂(広島大学医歯薬保健学研究院教授)、鈴木洋史(東京大学病院薬剤部長)の両氏が選出された。また、大塚雅巳氏(熊本大学大学院生命科学研究部教授)が第134年会組織委員長として任期1年の副会頭に選ばれた。
■副会頭に太田氏、鈴木氏ら
新会頭としてあいさつした柴崎氏は「創薬研究、育薬研究などにおいて、薬学6年制の出発を契機として様々な問題点が出てきている。この問題点は創意工夫することによって必ずやベターな方向にいくと考えている。そこに向かって常識を超えたような提案をし、日本薬学会の発展を今後2年間図っていきたいと強く思っている。協力、支援をお願いしたい」と語った。
総会では12年度決算が承認されたほか、13年度の事業計画、予算も報告された。
13年度の経常収益は11億6217万円、経常費用は9億9774万円。主な事業として▽学術研究・教育活動の推進▽学会情報の配信▽他機関との交流協力やグローバル化の推進▽学会基盤の整備・確立――などに取り組む。
来春に熊本県で開く年会では、6年制薬学教育への対応や薬剤師職能団体との連携、製薬企業関係者との連携、ドイツ、アメリカ、韓国の各薬学会との交流促進などを図る。
支部活動については、地域薬剤師会との交流、高校への薬学ガイダンスなど積極的な事業展開を行うほか、6年制の薬学生の参加を促すよう支部大会などの開催について検討する。
薬学教育基盤の整備としては、文部科学省から委託を受けて改訂作業中の「薬学教育モデル・コアカリキュラム」「実務実習モデル・コアカリキュラム」について、15年度に予定されている新カリキュラム開始に向け、改訂案を完成させる予定だ。
総会ではこのほか、大内和雄、大村智、小川智也、二井將光の4氏を名誉会員として承認した。総会後には薬学会賞、学術貢献賞、学術振興賞、奨励賞など各賞の授与式が行われた。
■「薬科学の底力」‐30日まで横浜で年会
総会に続き同日から、日本薬学会第133年会(組織委員長:松木則夫東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教授)がパシフィコ横浜を主会場に始まった。メインテーマは「薬科学の底力」。薬学の分野で活躍する人たちが、サイエンスの重要性を改めて再認識し、基礎や臨床など薬学のあらゆる分野を底上げしてほしいとの思いが込められた。会期は30日まで。