近視の人の視野欠損発生率が高い!
近視の人は、緑内障のリスクが高いという調査報告が、Investigative Ophthalmology and Visual Scienceに掲載されました。
研究では5277人を対象にしました。いずれも40歳の時点で、白内障にかかっておらず、眼科の手術を受けたこともない人たちです。
視野欠損は緑内障が進行すると見られる症状です。ところが、近視にかかっていない人と比べて、軽度の近視の人が視野欠損を起こすリスクは2倍、そして中等度の近視の人ではこのリスクが3倍、強度の近視の人では14倍にもなるのです。
緑内障の自覚症状を訴える人が少ない
一方で、緑内障の症状を自覚している人の割合は、近視の人とそうでない人では違いが見られていません。
また、緑内障で見られる視神経乳頭陥凹拡大は、近視の程度によって大きな変化は見られなかったものの、近視の場合、もともと視神経の角度が傾くなど解剖的に変化を来していることが原因ではないかと考えられました。
知らないうちに緑内障が進行しているかも
このデータから、視野欠損という緑内障の症状が出てきていても、視神経乳頭陥凹拡大や自覚症状が見られないことから、緑内障の診断を下されていない人が意外と多いのではないかという見解に至りました。
緑内障のごく初期の症状としては、周辺視覚への影響がありますが、半数以上の緑内障の患者さんはこの時点で自覚症状がないのだそうです。
近視の人は、緑内障のリスクが高いことを理解して、定期的に眼科を受診することが、視力を守るとても重要な要素だと認識する必要がありますね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Association between Myopia and Glaucoma in the United States Population
http://www.iovs.org/content/54/1/