調査は、2011年12月から今年3月まで、厚労省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、都道府県、医療機関等を対象に実施されたもの。新薬の迅速な提供や安全対策、後発品使用促進が適切に進められているかどうか評価した。
その結果、後発品の使用促進に関しては、調査対象の医薬品製造販売業者13社から、全規格揃えについて「需要が少ない規格もあり、非効率的な生産になっている」と見直しを求める意見が聞かれ、医療機関や薬局からも、「在庫管理費の増大につながる」「ほとんど調剤機会がない」等の声が多かったことから、必要な医療の確保を前提に、全規格揃えの見直しを関係団体の意見を踏まえながら検討するよう厚労省に勧告した。
また、医療機関と薬局で後発品への「変更不可」処方箋の発行状況を見たところ、それぞれの割合は平均11・9%、22・8%だったが、1医療機関では64・0%、4薬局では50%以上だったことから、後発品への変更に差し支えがあると判断した場合を除き、医療機関は処方箋の「変更不可」欄にチェックしないよう周知することを厚労省に求めた。さらに、医師と患者に後発品の使用への理解が進むよう、さらなる施策の検討も促した。
■病棟加算要件に不適切例‐副作用情報の管理徹底を
一方、安全性情報の一元管理に関して、届け出のあった2施設で医師、薬剤師等が把握した副作用情報が医薬品情報管理室に報告されておらず、病棟薬剤業務実施加算の要件となっている副作用情報の一元管理が適切に実施されていないことが判明。また、厚労省は、地方厚生局に加算の適合調査で対象となる副作用内容を示していないことも明らかになった。
こうした状況を踏まえ、総務省は厚労省に対し、地方厚生局に加算対象となる副作用の判断基準を示した上で、要件となる届け出医療機関の一元管理状況を確認し、適合しない場合は指導を徹底するよう勧告した。
また、医薬品の副作用情報を厚労省に報告していない医療機関5施設が判明し、薬事法に定められた義務が果たされていない事態が発覚したことから、医療機関に対して厚労大臣への副作用報告を徹底するよう求めた。さらに、意識障害の副作用報告が多かった上位46成分中21成分で自動車事故が報告されているが、22成分の添付文書には、使用上の注意に自動車運転の禁止等が記載されていないことが判明。因果関係が明らかでない場合でも記載を検討し、記載が必要なものについては速やかに添付文書の改訂を指示するよう促した。