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血清トランス脂肪酸濃度が冠動脈疾患と関係する可能性あり

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2013年03月21日 PM08:13

冠動脈疾患患者を対象に研究

日本人の冠動脈疾患患者を対象として、トランス脂肪酸の血中濃度を測定した結果、血清トランス脂肪酸の濃度は冠動脈疾患のリスク因子となる可能性あることが示された。また若いほど、濃度が高くなる傾向が見られた。この研究について神戸大学内科学講座循環器内科分野の森健太氏が、横浜で開催された第77回日本循環器学会(JCS2013)で発表した。



トランス脂肪酸は多価不飽和脂肪酸で、主にマーガリンやショートニングなどに含まれている。摂取量が多い欧米では、心疾患リスクを高めるということが報告されているため、摂取量の上限が決められたり、含有量の表示が義務付けられるなど、規制されていることが多い。その一方日本では、欧米ほど摂取量が多くないため、制限がないほかにも、冠動脈疾患との関係などを検討した報告はあまりない。



そこで森氏らは、冠動脈疾患の血清濃度を測定することにした。

対象者は、2008年7月から2012年3月に神戸大学病院に入院した902人。冠動脈疾のグループは463人、冠動脈疾患がないグループは439人であった。またメタボリック症候群であるグループは318人。年齢は4段階に分けた。血清のトランス脂肪酸濃度については、ガスクロマトグラフ質量分析装置で測定し、リポ蛋白あたりの濃度を算出した。

(この画像はイメージです)

とくに若い人のトランス脂肪酸濃度が高いことが判明

解析した結果、年齢が上がるとともに濃度は低下した。また男女間にあまり差はなかった。また、冠動脈疾患グループの濃度は、冠動脈疾患がないグループと比べると、有意に高かった。メタボリック症候群グループの濃度については、そうでないグループよりも高いということが示された。

森氏は、「血清トランス脂肪酸濃度は、日本でも冠動脈疾患のリスク因子であるということがわかった。これまで、日本人の摂取量は少ないと言われていたが、冠動脈疾患がある人やメタボリック症候群の人では、年齢が若い人ほど濃度が高いということが分かった。そのため今後は、とくに若い世代の摂取量がどの程度であるのかを検討することによって、食事指導など冠動脈疾患の予防につなげることが可能になる」と述べている。

▼外部リンク

第77回日本循環器学会
http://www2.convention.co.jp/jcs2013/japan/endai/index.html

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