やっぱり関連があった、インフルエンザの流行と気候
日本では、冬になるとインフルエンザにかかる人が増えることから、多くの人が気候とインフルエンザの流行には関係があると経験的に考えていますね。
今回発表されたのは、この経験を裏付けるもの。アリゾナ大学の調査チームによれば、湿度が高くて雨が多いとき、そして乾燥していて寒いとき、の2つのタイプの気候がインフルエンザウィルスに好まれることを突き止めました。
PLoS PATHOLOGYに掲載されたこの調査では、1975年から2008年の間のウィルスの活動性を分析したもの。対象となった地域は世界中の78箇所に及んでいます。
この78箇所には、WHO(世界保健機関)の調査プロジェクトであるFluNetに加盟している9ヶ国も含まれています。
寒い冬のある日本やヨーロッパでは、冬の乾燥した時期、東南アジアなど常夏の国では、雨期にインフルエンザの流行が共通してみられることが確認されたのです。
研究チームは、こうした気候のときは、予防を特に念入りに行うようにと呼びかけています。これまで通り、冬が近づいたときの備えを行うだけでなく、熱帯地方への旅行の際など、様々な場面で役に立ちそうな知識ですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Environmental Predictors of Seasonal Influenza Epidemics across Temperate and Tropical Climates
http://www.plospathogens.org/article/
FluNet
http://www.who.int/influenza/gisrs_laboratory/flunet/en/