既存の糖尿病治療薬と併用可能の薬剤
3月13日、アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)は、SGLT2阻害剤 イプラグリフロジン L-プロリン(開発コード:ASP1941、以下、イプラグリフロジン)に関し、厚生労働省に2型糖尿病を適応症として承認申請を行ったことを発表した。
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「イプラグリフロジン」は、アステラス製薬と寿製薬株式会社との共同研究で見出されたSGLT2(Sodium-Glucose Co-transporter 2)選択的阻害薬。新規作用機序による経口血糖降下剤である「イプラグリフロジン」が市場に投入されることにより、新たな治療選択肢が提供され、2型糖尿病治療に貢献ができるものと期待されている。
SGLT2について
ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっているSGLTは細胞表面に存在する膜タンパク質。SGLT2はSGLTのサブタイプの1つであり、腎臓近位尿細管でのブドウ糖再取り込みで重要な役割を担っている。「イプラグリフロジン」はこのSGLT2を選択的に阻害することによって、ブドウ糖の再取り込みを抑制、血糖値を下げる薬剤である。
臨床試験に関して
国内で実施の第3相単独療法試験で、イプラグリフロジン群はプラセボ群と比較して、血糖コントロールの指標であるHbA1c値の有意な低下が認められるとともに、治療薬としての安全性に問題がないことが確認された。
既存の糖尿病治療薬と幅広く併用可能であることも新規経口血糖降下剤として重要であることから、他の血糖降下剤(6種類)と長期併用投与した第3相試験も実施された。結果、血糖降下剤併用下においても「イプラグリフロジン」の有効性と安全性が確認された。(佐々木理恵)
▼外部リンク
アステラス製薬株式会社ニュースリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/