国立がん研究センターと国立循環器病研究センターが発表
緑茶やコーヒーを定期的に飲む人は、脳卒中を発症するリスクが軽減されるという調査結果を、国立がん研究センターと国立循環器病研究センターが共同でまとめ、米医学誌「Stroke」(オンライン版)に14日、発表した。
調査は1995年と98年、岩手県、秋田県、長野県、沖縄県、茨城県、新潟県、高知県、長崎県の9つの保健所管内に住む45~74歳の男女約8万2000人を対象に、緑茶(煎茶)およびコーヒー(缶コーヒーを除く)の摂取頻度を調査。その後、2007年末まで最長で13年間追跡調査した。
うち3425人が脳卒中を発症していた。
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コーヒーを毎日1杯か緑茶を毎日4杯以上でリスクが20%減
アンケートの回答をもとに「飲まない」、「週に1~2 回」、「週に3~6 回」、「毎日1 杯」、「毎日2~3 杯」、「毎日4 杯以上飲む」という6 つの群に分けて、病気との関連を分析した。
コーヒーの摂取度でリスクを比較したところ、コーヒーを「毎日1杯」飲む人は、「飲まない」人に比べて脳卒中発症リスクが20%低下することが判明した。「毎日2杯以上」では19%、「週3~6日」では11%リスクが減った。
緑茶では、「毎日2、3杯」飲む人は、「飲まない」人に比べてリスクが14%低く、「毎日4杯以上」では20%減った。
また、緑茶もコーヒーも飲まない人に比べ、緑茶を毎日2杯以上またはコーヒーを毎日1杯以上飲むと、脳卒中や脳梗塞、脳出血の発症リスクが低下した。
調査結果には、被験者の糖尿病既往歴や年齢、性別、喫煙の有無、アルコール消費、体重、食生活、習慣的な運動などが考慮された。
緑茶のカテキンとコーヒーのクロロゲン酸が関与か
研究チームは、コーヒーと緑茶のどの成分が脳卒中リスクに影響を与えるかは不明としつつも、一つの推測として、緑茶に含まれるカテキンが血漿中の抗酸化レベルを高め、血管保護の効果につながっていると見ている。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、血糖値を改善する効果があるとされており、糖尿病発症リスクを抑える。同様に脳卒中のリスク軽減にも関与している可能性を示唆している。(太田みほ)
▼外部リンク
国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの研究発表(PDF)
http://www.ncvc.go.jp/20130315jphc.pdf
米医学誌「Stroke」
http://stroke.ahajournals.org/