ナチュラルキラー細胞
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とは、体内の免疫機構にかかわるリンパ球の一種で、外界から侵入した異物である細菌やウイルス、また体内で異物化したがん細胞などを直接攻撃して破壊する働きがある。血液中に存在するリンパ球の10~30%を占めるといわれている。30数年前まではT細胞とB細胞しかないと考えられていたが、1970年代にNK細胞が見つかった。
NK細胞は、活性化型レセプターと抑制型レセプターをもち、ウイルス感染細胞やがん細胞と出会うと活性化型レセプターからのシグナルが入って相手を攻撃、逆に、正常細胞と出会うと抑制型レセプターからのシグナルが優勢となり正常細胞を攻撃しない。
(画像はウィキメディアより)
テラの第1相試験
テラは、長崎大学病院と新規技術を用いたNK細胞療法である「ZNK(R)細胞免疫療法」の第1相臨床試験を開始すると発表した。NK細胞療法とは、患者の血液を採取し、体外で培養、活性化したNK細胞を点滴静脈投与で体内に戻す治療法である。
本試験では、固形がん患者に対して、ZNK(R)細胞免疫療法の安全性の確認および用量漸増による最大耐用量の検討を主要評価項目とし、抗腫瘍効果の評価を副次評価項目として実施する。NK細胞の数と活性が低下している進行がん患者において、NK細胞を体外で増幅・活性化することができれば、画期的な治療法となる。(堤朝子)
▼外部リンク
テラ ニュースリリース 2013年3月13日
http://www.tella.jp/release/534.html