「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」が13日、開かれ、根本幸夫委員(日本漢方連盟理事長)、河野康子委員(全国消費者団体連絡会事務局長)、増山ゆかり委員(全国薬害被害者団体連絡協議会の副代表世話人)などの慎重派と、賛成派の國重惇史委員(新経済連盟顧問)、沢田登志子委員(ECネットワーク理事)が意見を述べた。
根本氏は、漢方薬局などで行われている郵便販売を説明。初回の対面販売時に購入者の氏名や年齢、既往歴などを記入した「相談カード」を作成して店頭で販売するが、2回目以降に来店できない場合に相談カードをもとに電話で状態を把握してから、相談・販売内容を記録に残し、郵送するとした。また、状況に応じて来店相談を勧めたり、受診勧奨も行うという。
河野氏は、ネット販売に関する懸念・不安として、購入者に一般薬の区分や副作用の知識が十分に備わっていないことや、匿名性の高さにより大量購入など本来の目的以外に悪用される点などを挙げた。
増山氏は、消費者の薬の知識が不十分な中で、時間や年齢を問わず医薬品にアクセスできる環境は、利便性と引き替えに消費者を不用意な副作用リスクにさらしかねないと指摘。購入者が悪質業者を見抜くことが困難な点も問題視した。
國重氏は、トレーサビリティーの確保が可能、時間的・地理的制約が少ないといった利点を挙げると共に、許可を受けている薬局・店舗であるかどうかを見極めるための手段として、行政のデータベースで許可証情報や資格者情報を照会できるようにする仕組みの構築を提案した。
この日の会合では、8日に政府の規制改革会議がまとめた見解を批判する意見が相次いだ。見解では、半年以内にネット販売の安全性を確保する枠組みを設けた上で、全ての一般薬のネット販売を可能とする「全面解禁」を求めている。
生出泉太郎委員(日本薬剤師会副会長)は、見解について「この検討会の存在を否定するもの。理不尽で強引すぎる」と非難。日本チェーンドラッグストア協会の森信理事は「人の命が経済の論理で論じられている気がしてならない」と訴えた。中川俊男委員(日本医師会副会長)も「人の命と健康が最優先。見解はあくまで参考」と強調した。