環境省が甲状腺検査を3県で実施
環境省が青森、山梨、長崎の3県で行った甲状腺検査において、56.6%に5.0mm以下の結節や、20.0mm以下の嚢胞があることが認められたと発表した。
福島第一原子力発電所の事故後に福島県が行っている甲状腺検査では約40%に所見が認められているということから、環境省は県外の検査を行った。
検査は、日本乳腺甲状腺超音波医学会が実施した。対象は3~18歳で、青森県弘前市、山梨県甲府市、長崎県長崎市に在住する計4365人。検査方法としては福島県の県民健康管理調査と同様の超音波機器を用いて、日本甲状腺学会、日本甲状腺外科学会、日本超音波医学会、日本内分泌外科学会、日本内分泌学会の専門医資格を持っている医師、、または超超音波検査士の資格持っている臨床検査技師などが検査を行った。
(Wikiメディアより引用)
福島県と3県は同等の数値
福島県では2011年10月、福島第一原子力発電所の事故当時18歳以下だった県民を対象として、甲状腺検査を開始した。11年度は3万8114人、12年度は9万4975人の検査を実施し、11年度は35.3%、12年度は43.6%に5.0mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞が認められた
1回目の甲状腺検査では放射線の影響はまだ表れていないと考えられ、2回目以降と比較するためのベースラインを目的としている。しかし18歳以下の健康者を対象とした大規模な調査は行われたことがなく、5.0mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞といったことが一般にどの程度のものかわからなかった。
そのため今回の検査では「5.0mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞」の有所見率を比較することが目的である。 今回県外で行われた検査では、5.0mm以下の結節や20.0mm以下の嚢胞が56.6%に認められ、福島県が他県に比べて高いわけではないことが明らかとなった。
環境省は「福島県の県民健康管理調査は0~18歳を対象としているが、今回の検査では3~18歳を対象としている。検査対象者の年齢幅が違うため差が生じたと考えられる。また、甲状腺検査の場合は、血液検査などの検査に比べると誤差が生じやすい。そのため福島県よりも数値が高くなっているため、ほぼ同等であると見ている」と述べた。
ただし今回の発表は速報値であり、調整した調査結果は3月下旬に報告される予定である。
▼外部リンク
環境省 報道発表資料
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16419