アルコールが脳細胞を壊しているという誤解
アルコールが様々な形で、脳に影響を及ぼすことは事実です。このため、アルコールが脳細胞を直接破壊するいう誤解を持っている人は少なくありません。
少量のアルコールが精神活動を活発にするという報告もあり、日本での「酒は百薬の長」という考えを裏付けているとも言えます。
2005年にオーストラリアの7500人を対象にした調査では、20代、30代、40代のいずれでも、男性なら1週間に14杯、女性なら1週間に7杯のアルコールを口にしている人は、そうでない人よりも記憶や認識の能力が優れていたそうです。
脳細胞の産生が40%もダウン
一方では、同様の飲酒でも、脳の可逆性や、脳細胞の産生を妨げるとの報告もあります。脳細胞の産生については、40%もダウンするという報告すらあるのです。
アルコールは脳細胞を破壊するわけではないのですが、脳細胞の産生が正常なペースで行われなくなってしまうのです。
お酒が好きなら、信じていたい「酒は百薬の長」ですが、様々な情報を集めた上で、責任を持ってお酒をたしなみたいものです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Non-linear relationships between cognitive function and alcohol consumption in young, middle-aged and older adults
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/
Moderate drinking? Alcohol consumption significantly decreases neurogenesis in the adult hippocampus
http://www.sciencedirect.com/science/article/