薬学会の薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂調査研究委員会がまとめた改訂案では、大項目をA(基本事項)、B(薬学と社会)、C(薬学基礎教育)、D(衛生薬学教育)、E(医療薬学教育)、F(薬学臨床教育)、G(薬学研究)――の7領域で組み立てる考え方を示しているが、E、Fについては継続協議となっていた。
今回、内容を整理したE(医療薬学教育)は、▽E1:薬の作用と体の変化▽E2:薬理・動態・薬物治療▽E3:薬物治療に役立つ情報▽E4:薬の生体内運命▽E5:製剤化のサイエンス――の五つの中項目で構成。現行のコアカリでCの15、16などに点在していた薬物動態、製剤などを「E4」「E5」にまとめるなどの変更を加えた。
F(薬学臨床教育)は、▽F1:薬学臨床教育基礎▽F2:処方箋に基づく調剤▽F3:薬物療法の実践▽F4チーム医療への参画▽F5:地域の保健・医療・福祉への参画――の5項目で構成する。
これらは、薬剤師に求められる基本的な資質の10項目の中から、薬学臨床教育で必要な部分を抜粋し、F1~F5までのタームにしている。
今回のコアカリから新たに設けることになった「薬剤師として求められる基本的な資質」(案)に盛り込まれている、「薬剤師としての心構え」「患者・生活者本位の視点」など10項目の中から、薬学臨床教育に必要な視点を抜粋して作成された。
この日の会合では、前回の検討会でA(基本事項)、B(薬学と社会)の一般目標(GIO)と到達目標(SBOs)との関連性などについて議論した結果を踏まえ、修正を加えた案を文科省が提示した。
Aは、▽A1:薬剤師の使命▽A2:薬剤師に求められる倫理観▽A3:信頼関係の構築▽A4:多職種連携協働とチーム医療▽A5:自己研鑽と次世代を担う人材の育成――の5項目で構成。
委員から、患者に寄り添った医療を提供するといった視点があまり見えてこないなどといった指摘があったことを踏まえ、A1に「医療人として」の項目を新たに設けることになった。
Bは、▽B1:人と社会に関わる薬剤師▽B2:薬剤師と医薬品等に係る法規範▽B3:社会保障制度と医療経済▽B4:地域における薬局と薬剤師――の4項目で構成されている。法規範を学ぶ必要性を明確化するため、B1を新たに追加すると共に、SBOsの中に、薬剤師が倫理規範や法令を守ることの重要性を討議することなどを盛り込んだ。
A、Bは、この日の検討会での議論を踏まえて修正し、中間まとめを作成するが、C、D、Gについては薬学会の原案を尊重する。E、Fについては、文科省のコアカリ改訂専門委のメンバーが文言修正などの調整を行った上で、中間まとめを作成する。