日本では、美白があちこちで謳われているにもかかわらず、一方で根強い人気の日焼けサロン。手軽に小麦色の肌を手に入れられるタンニングクリームなども、複数の化粧品会社が紹介しています。
冬が終わると、小麦色の肌に似合う服を着こなすため、本格的な夏に向けて、下地を作るため、露出度が増えるのでダークな肌でほっそり見せるためなどの理由で利用する人が増えるようです。
この人工的な日焼け、海外では健康への害が深刻に受け止められ、未成年の利用禁止を呼びかける動きもあるのです。
美白派からみたら、うらやましい限りの欧米人の肌ですが、欧米でも人工的な日焼けを利用するティーネージャーが多いのです。フランスの11歳から17歳の男女に対して行った調査では、半数以上が夏に日焼けをするのは大切と回答しており、タンニングクリームなどの化粧品の利用は約1割、そして1.4%は日焼けマシンを利用していました。中には小麦色の肌を手に入れるために、日焼け用のピルを内服している人もいたそうです。
言うまでもなく、日焼けによる健康問題のトップは、皮膚がんです。カナダでは、この35年のうちに皮膚がんにかかる人が3倍にもなっているそうです。
カナダ小児科学会では、未成年は人工的な日焼けの利用を禁止する法律を制定するべきだと主張しています。
夏が近づいてきて、小麦色の肌へのあこがれが強くなる季節ですが、人口の日焼けの利用の際には健康へのリスクをきちんと理解することが求められます。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Banning children and youth younger than 18 years of age from commercial tanning facilities
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3299353/
French teenagers and artificial tanning
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdv.12015/abstract