「2012年 病院における看護職員需給状況調査」を公表
日本看護協会は3月7日、「2012年 病院における看護職員需給状況調査」を公表した。その結果、2011年度の看護職の離職率は10.9%と、4年連続低下しているということがわかった。その一方で、夜勤負担が重い施設では、依然として離職率が高いということも判明した。
日看協は、夜勤・交代制勤務に関するガイドラインを作成したことについても公表しており、医療機関に対して、看護職の勤務負担を軽減することを求めていく考えを示した。
今回の調査は、2012年10月に全国8632施設の看護部長を対象として行った。2011年度の看護職の離職率は常勤が10.9%、そして新卒が7.5%と、両方共4年連続で低下。特に新卒の離職率は2010年度以降、特に低下している。
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夜勤時間が長い病院ほど離職率が高い
理由としては、経済情勢の悪化も考えられるのだが、全国の病院が看護職員の確保だけでなく、定着にも力を入れたためではないかと考えられている。また新卒者に対しては新人研修を義務付けているため、効果が出ているのではないかという見方もある。
しかしその一方で、月に夜勤だけで72時間を超える看護職が31.9%ということも判明。この傾向はほとんど変わっておらず、月80時間を超えて夜勤をしている者に関しては17.3%と、前回の調査よりも増加している。分析をした結果、月72時間超える夜勤者が多い病院ほど、常勤看護職員の離職率が高いという傾向が見られるということがわかった。
日看協は今回「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を作成、発表をした。内容としては勤務編成の基準など組織として取り組むべきことや、夜勤前後の過ごし方など看護職員が留意すべき点などである。
しかし労働環境を改善するためには、病院団体の理解と協力が不可欠である。そのため看護職員だけでなく、医師や薬剤師、介護職員など他業種の職員にも参考にしてほしいと訴えている。(福田絵美子)
▼外部リンク
日本看護協会 プレスリリース
http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20130307163239_f.pdf
看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/shuroanzen/guideline/