大規模災害への対応にかかる提言及び要望書
日本医師会や日本看護協会、全日本病院協会など35の医療機関団体で構成されている被災者健康支援連絡協議会(代表:日本医師会会長の横倉義武氏)が3月4日、「大規模災害への対応にかかる提言及び要望書」を全会一致で可決した。未曾有の災害にすぐに対応できるように法律の制定を求めており、今後、安倍内閣総理大臣に要望書を提出、実現を図っていく。
被災者健康支援連絡同協議会では、2011年3月の東日本大震災以降、17回被災者の健康支援や大規模災害時の対応について検討を行なってきた。今回、東日本大震災の被災者支援についての問題点を整理し、改善策をまとめた。要望点としては、「大規模災害の緊急非常事態対処法」を制定するということと、東日本大震災の教訓を踏まえた法的問題点等の解消と法改正、そして同協議会の代表を中央防災会議の委員として任命することなどの3点である。
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災害時のための法律の改正を要望
東日本大震災では、1961年に制定された災害対策基本法が、被災者の健康支援のために機能しなかったことが多かったことについて指摘をしている。 そのため「大規模災害の緊急非常事態対処法」の制定を提言した。具体的な内容としては、内閣総理大臣がまず国会の承認を得て「緊急非常事態」を宣言した後、内閣は政令を制定し、財政上必要な支出・処分などができるようにすべきであるとのことである。
また被災情報の収集や医療支援チーム派遣、被災した患者の受け入れ、救援物資の搬送などをすぐに行うことができるように、法改正をするよう求めた。
その他にも防災基本計画の策定や防災に関する重要事項の審議を担当している「中央防災会議」へ代表の参画を要望。「東日本大震災では民間サイドから被災者の健康支援を行なってきた当協議会は、国内最大の民間健康支援組織である。中央防災会議が目指している「災害発生時、官民が連携し資源の大量・集中投入を行う」という基本姿勢をできると述べている。(福田絵美子)
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