臨床試験でワルファリンよりも優越性を証明
ブリストル・マイヤーズ株式会社とファイザー株式会社は、新規経口FXa阻害剤「エリキュース(R)錠2.5mg/ 5mg」(一般名:アピキサバン、以下、「エリキュース」)の販売を、2013年2月26日より開始した。
「エリキュース」の効能・効果は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制。血液凝固因子である第Xa因子を阻害し、血栓ができるのを防ぐ働きをする。
ARISTOTLE(アリストテレス)試験では、抗凝固剤の一つワルファリンに対し、脳卒中発症の抑制と大出血発現率及び全死亡率の低下で優越性が証明されている。
(この画像はイメージです)
出血の危険性に注意し、投与の適否を慎重に
ARISTOTLE試験は、脳卒中のリスク因子を1つ以上有する非弁膜症性心房細動患者18,201例(日本人患者336例を含む)を、エリキュース群9,120例、ワルファリン群9,081例にワンダムに分け実施された。
その結果、「エリキュース」はワルファリンに対し、
・大出血リスクの減少(31%低下)
・全死亡率の低下(11%低下)
などの優越性を証明している。
なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(総症例218例)では、143例に本剤は投与。そのうち34例(23.8%)に、鼻出血5例(3.5%)、尿中血陽性3例(2.1%)などの副作用が見られている。
ファイザーでは、日本人における本剤の有効性・安全性のデータはまだ十分であるとは言えないことから、「エリキュース」の使用については、出血の危険性を考慮し、投与の適否を慎重に判断して欲しいとしている。
【用法・用量】
通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg1日2回投与へ減量する。
[用法・用量に関連する使用上の注意]
次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg1日2回
経口投与する。
・80歳以上
・体重60kg 以下
・血清クレアチニン1.5mg/dL以上
【禁忌】
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・臨床的に問題となる出血症状のある患者
・血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者
・腎不全(クレアチニンクリアランス 15mL/min未満)の患者
(吉沢実香)
▼外部リンク
エリキュース
http://www.eliquis.jp/
ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/index.html
ブリストル・マイヤーズ株式会社
http://www.bms.co.jp/