■中医協・12年度調査速報
厚生労働省は2月27日、後発品の使用状況に関する2012年度調査の結果速報を、中央社会保険医療協議会総会に示した。調査を行った昨年9月の1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品で、一般名処方の割合は14・7%となった。ただ、薬剤情報提供文書を交付する場合、全ての患者に口頭説明している薬局の割合が31・5%にとどまるなど、薬局薬剤師の努力不足も浮かび上がった。委員からは「日本薬剤師会を中心に、調剤薬局への指導を徹底してほしい」と注文が出た。
後発品調剤率(数量ベース)と薬局数の分布を見ると、「30%以上35%未満」が前回11年度に比べて3・1%増の16・3%、「35%以上40%未満」は9・3%増の17・8%と大きく伸び、「40%以上45%未満」も8・9%あった。
薬局が応需した全処方箋のうち1品目でも「後発品への変更不可」となっていない処方箋の割合は76・7%と、前回に比べて7・6%増えた。このうち、1品目でも後発品を調剤した処方箋は49・3%と2・4%上昇、1品目でも一般名処方となっている処方箋の割合は40・5%と、変更可処方箋の約4割を占めていることが明らかになった。
1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品の品目数を見たところ、一般名で処方された割合は14・7%、さらに一般名処方された医薬品で後発品を選択した割合は61・9%だった。一般名処方の処方箋について、後発品を使うかどうか患者の意向の確認状況を調べると、「処方箋受付時に毎回、患者に確認している」が8・2%、「初回に確認し、2回目以降は時々確認している」が58・3%となった。
一般名処方の処方箋を持参した患者のうち、後発品に関する十分な説明を行った患者の割合は、「70%~90%未満」が17・7%、「90%以上」が22・5%にとどまり、必ずしも説明が十分でない状況が分かった。また、後発品情報を記載した薬剤情報提供文書を交付する場合、患者に口頭説明している割合は、「基本的に全ての患者に説明している」が31・5%にとどまると共に、「ほとんどの患者に説明していない」も16・4%に見られ、薬局薬剤師の努力不足が浮かび上がった。
後発品の採用基準としては、「後発品メーカーが十分な在庫を確保していること」が72・1%と最も多く、メーカーや卸に望むこととしては、多い順に「分割や少量での販売をすること」「品目差の多さを是正すること」などが挙がった。医師に対しては、後発品の銘柄指定をしないことを求める声が多かった。一方、病院・診療所調査で、病院における一般名処方による処方箋発行への対応状況を聞いたところ、全体の39・9%が対応していた。一般名処方による処方箋の発行状況について、一般名処方マスタに収載されている医薬品を全て一般名処方している病院の割合は17・1%となった。診療所の外来診療でも、一般名処方による処方箋発行の経験が56・5%あった。