乳ガンに対する新たな抗がん剤
FDA(米食品医薬品局)は、22日、乳ガンの新薬「Kadcyla」(商標名)を認可した。開発中はT-DM1と呼ばれたこの新薬は、HER2陽性転移性乳ガン患者を対象とした臨床試験で、平均約半年の延命に成功した。
「Kadcyla」は腫瘍を縮小させ、ガンの進行を遅らせる。臨床試験では、今までの化学療法に比べて、髪が抜け落ちるなどの副作用が比較的少なかったことが確認されている。しかし、可能性としては、鬱血性心不全などの心臓疾患、また肝臓疾患を引き起こすこともあり得る。生死に関わる先天的欠損症も副作用の1つとして列記されている。
(Wikipediaより引用)
抗体薬物複合体(ADC)
「Kadcyla」はHER2タンパクを標的としたハーセプチンと化学療法DM1を組み合わせたもので、ハーセプチンだけではガン細胞を抑えられない時に用いられるように設計されている。
DM1はあまりにも毒性が強すぎて、患者の血流に直接投薬することができない。新薬では、ハーセプチンが、ガン細胞に的をしぼって、他の健康な細胞にダメージを与えることなく、DM1をガン細胞に届ける役割を果たす。
HER2タンパク
HER2タンパクは、正常細胞の増殖・分化など細胞機能調節に関わる。しかし、異常な増幅や変異がある場合、ガン遺伝子となる。乳ガンの約20%においてHER2タンパクの増加が見られる。HER2タンパクを標的とした治療薬は、今までに他3種が認可を受けている。(長谷川優喜)
▼外部リンク
FDA News Release
http://www.fda.gov/
CNN:New late-stage breast cancer treatment approved
http://edition.cnn.com/
NYTimes:F.D.A. Approves Breast Cancer Drug
http://www.nytimes.com/