■日薬・来年度事業
日本薬剤師会は23、24の両日、都内で第80回臨時総会を開き、来年度事業計画、予算などを審議・了承した。各都道府県薬剤師会による日薬会費“徴収代行”や、初めて寄付の形で徴収する学校薬剤師部会費などについては、一部論議があったものの、原案通り決まった。また、来年度は薬剤師職能や医薬分業のPRなど対外的には広報活動に多くの予算を計上、内部的にはフィジカルアセスメントや一般薬関係での研修等に注力するほか、第2次「薬局グランドデザイン」づくりにも着手していく。
児玉孝会長はあいさつの中で、「薬剤師の将来ビジョン」最終版を4月に公表することを明らかにした。また、最近の分業批判に関しては、処方箋を介して医療の情報公開に多大な貢献をしてきたことは事実と指摘。さらに、東日本大震災での薬剤師の社会活動への評価などを含め、自信を持つべきとした。
来年度事業計画の方針としては、政府が2025年に実現を目指す「地域包括ケアシステム」構築の道筋において在宅医療へ積極的に参画していくことや、地域での適切な医薬品供給体制の整備を図るには、地域医療計画・介護保険事業計画で位置づけられることが必要なため、薬局・薬剤師は具体的に役割等を提示していかなければならないとした。来年度からの健康日本21では、地域健康支援拠点としての薬局機能の充実を図ると共に、医療用医薬品のスイッチ化の促進を図ることも挙げた。
その上で、▽生涯学習支援システム(JPALS)による薬剤師の自己学習・研鑽への支援▽「薬剤師の将来ビジョン」を踏まえた諸活動▽日薬会館(仮称)は活動拠点としてふさわしい場所の確保と会館建設に向けて努力する――など、10項目に及ぶ事業に取り組んでいく。
将来ビジョンについては、12年度(6月)に暫定版が作成されたが、4月には最終版を公表する。日薬会館建設に関しては、六本木駅近く(徒歩7分程度)に約90坪の土地取得に向け仮契約が結ばれたことが質疑の中で示された。
また、JPALSに関しては、代議員から「加入率が低い」などの指摘もあったが、2月18日現在でユーザー登録数が1万3523人(日薬会員は1万2716人)で、1~2月に登録数が増えてきたことが報告された。
さらに、薬剤師免許取得から15年以上経過した場合に過渡的認定によるレベル5の申請を呼びかけているが、申請者が7476人(会員7145人)に達したことが説明された。
なお、次期参議院選挙を控えた木村隆次氏が常務理事を22日付で辞し、代わって近藤剛弘理事(岐阜)が同日付で常務理事に就任したことが報告された。