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日本病院薬剤師会、通知項目で高い実施率―病棟業務の着実な展開反映

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2013年02月25日 AM09:51


■日病薬調査

病棟で薬剤師が関与している各業務の実施率を調べたところ、昨年4月に導入された「病棟薬剤業務実施加算」の算定に必要な業務が高い割合で着実に展開されていることが、日本病院薬剤師会の「2012年度病院薬剤部門の現状調査」で分かった。チーム医療に関する厚生労働省医政局長通知で、薬剤師が取り組むべき業務として示された9項目のうち、5項目は実施率が70%以上と高かった。調査を実施した昨年6月時点の加算の算定施設は全体の12・1%だったが、これら施設は日常的に十分な病棟業務を展開していたと見られ、「新病棟薬剤業務実施加算」新設のインパクトが大きかったことがうかがえた。

■「新加算」算定に弾み

調査は、全国8598施設を対象に実施し、4424施設から回答があった。病棟業務に従事する時間で区分した薬剤師数を見ると、全体の28・2%が所定標準勤務時間の5割以上を病棟で勤務していた。

さらに、病棟薬剤業務実施加算に必要な週20時間以上を病棟で勤務している薬剤師に限ると、昨年6月時点で全体の21・4%が該当した。一方、全く病棟業務を行っていない薬剤師も32・5%に上った。

薬剤師の病棟業務時間と薬剤業務の実施施設の割合を見たところ、病棟業務時間が増えるほど、医政局長通知で示された業務の実施率が向上することが明らかになった。

実際に、病棟で薬剤師が関与している業務の実施率を調べた結果、「他の医療スタッフへの助言や相談への応需」が93・6%、「持参薬の確認・評価とそれを考慮した服用計画の提案」が85・7%、患者の状態観察に基づく薬効・副作用の確認と結果の医師への伝達」が73・4%、「入院患者に対する抗癌剤等の無菌調製やTPN等の無菌調製」が75・1%等と、医政局長通知に示された業務が高い割合で展開されていることが分かった。

共同薬物治療管理業務(CDTM)を意味する「薬物療法プロトコルについて提案、医師と協働で作成、協働で進行管理」も42・4%の割合で実施されていたほか、医政局長通知に含まれていない副作用の予測や回避に必要なフィジカルアセスメント、薬物療法の定期モニタリングによる処方提案といった積極的な関わりも認められた。

その上で、病棟薬剤業務実施加算の算定状況を見たところ、昨年6月時点ではあるものの、全体の12・1%が「算定している」と回答した。

その多くは、医政局長通知に示された薬剤業務を着実に展開していた施設と見られる。また、「準備中」が5・8%、「検討中」が27・0%であり、現時点ではこれら施設が算定に動いている可能性が高い。算定するために行った取り組みとしては、「薬剤部門の人員配置・勤務体制の見直しを行った」が59・9%と最も多く、「薬剤師の増員を行った」は23・4%にとどまった。

 

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