マッサージは気持ちいいけど、どうして効くの?
マッサージは、骨格筋の痛みを和らげ、回復を早めるためにリハビリテーションの場では一般的に取り入れられています。
マッサージが、筋肉の痛みを緩和することはこれまでも知られていましたが、細胞レベルでどのように作用しているかということについてはあまり知られていませんでした。
この仕組みを解明するために、マッサージの効果を調べるため、運動のために筋肉痛を起こしている11人の男性を対象に、調査が行われました。
マッサージをする前、10分のマッサージ直後、そしてマッサージ終了後2.5時間の3回にわたって、筋肉の組織を調査しました。
信号伝達、核内蓄積、炎症性物質の減少に効果
この結果、マッサージによって、細胞間の信号伝達がスムーズに行われるようになることが分かりました。
また、筋肉を過剰に動かし筋肉が傷つくことによって生じる、物質の核内蓄積も抑えられます。
更に、筋肉のメタボリズムには影響を起こさないまま、炎症に伴って増加した物質を減少させるのです。
こうした働きを統合すると、筋繊維が傷つくことによる細胞のストレスを軽減することができるのです。
この調査から、運動によって筋肉痛が生じた場合にマッサージを行うのは、痛みから早く解放されるために効果があることが証明されたのです。「気持ちいい、楽になる」のは細胞レベルからの働きかけなんですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Massage Therapy Attenuates Inflammatory Signaling After Exercise-Induced Muscle Damage
http://translationalmedicine.org/content/4/119/119ra13.short