世界に先駆けて日本で行われる
2月22日、ヤンセンファーマ株式会社による、次世代の直接作用型抗ウイルス剤(DAAs:Direct-acting Antiviral Agents)C型慢性肝炎治療薬「シメプレビル(TMC435)」の製造販売承認申請が、世界に先駆けて行われた。
(Wikiメディアより引用)
シメプレビルは、C型肝炎ウイルスの複製に欠かせないセリン・プロテアーゼを直接阻害することにより、C型肝炎ウイルスの増殖を抑える機能を有する経口薬である。
現在、日本でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した患者数は約150〜200万人いると推定され、約70%の割合で慢性肝炎に移行する。さらに炎症が続き肝線維化が進むと肝硬変や肺がんへと進展する。C型肝炎は感染しても自覚症状がないため、約80万人が潜在化していると推定されている。
また、C型肝炎ウイルスは日本においてはジェノタイプ1型と2型が主であり、1型はインターフェロンの治療効果を得にくい抵抗性(難治性)と呼ばれ、日本のC型肝炎患者の約70%を占めると言われている。
肺がんの原因の約80%がC型肝炎であると言われている。C型肝炎の治療は進化を続けており、治療薬の効果は著しく向上している一方で、副作用などの課題の解決も期待されている。
国内で4つの第Ⅲ相臨床試験を実施
ヤンセンは国内で4つの第Ⅲ相臨床試験を実施し、ジェノタイプ1型のC型肝炎患者における、シメプレビルとペグインターフェロン(α-2aまたはα-2b)とリバビリンの3剤併用療法において得られた治療効果と安全性、治療への忍容性などを示す結果をもとに、日本での製造販売申請に至った。
シメプレビルは、日本のみならず、世界のC型慢性肺炎患者に対する新たな標準治療薬になるものとして期待されている。(編集部 水谷)
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