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抗悪性腫瘍剤である「アブラキサン」が胃癌と非小細胞肺癌の効能効果を追加したと発表

読了時間:約 1分25秒
2013年02月24日 PM08:13

胃癌と非小細胞肺癌に対する効能効果が追加と発表

大鵬薬品工業は、ヒト血清アルブミンとパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤「アブラキサン点滴静注用100mg」に、「胃癌」と「非小細胞肺癌」に対する効能効果を追加したと発表した。「アブラキサン点滴静注用100mg」の一般名は、パクリタキセル注射剤〔アルブミン懸濁型〕、nab-パクリタキセルである。



同剤は、2010年9月に乳癌への適応症があるということで発売している。胃癌についてはセカンドライン、そして非小細胞肺癌についてはカルボプラチンと併用で、進行再発非小細胞肺癌に対するファーストラインとして申請を行なっていた。



用法と用量は、乳癌と胃癌についてはA法、非小細胞肺癌についてはB法にて投与を行う。この場合のA法というのは、成人に対して1日1回260mg/m2を30分かけて点滴静注する。そして少なくとも20日間は休薬するというスケジュールを1コースとして投与を繰り返していく方法である。

B法では、成人に対して1日1回100mg/m2を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間は休薬する。この週1回の投与を3週間連続して行うスケジュールを1コースとして、投与を繰り返していくという方法である。どちらの投与法も、患者の状態によって医師の判断で適宜減量する。


(この画像はイメージです)

適応拡大はフェーズ試験に基づくもの

今回の適応拡大した理由としては、胃癌については国内フェーズ2試験の結果、そして非小細胞肺癌については国際共同のフェーズ3試験「Cのデータに基づいた結果である。

5-FU系抗癌剤を含む初回に化学療法に適応しなかった進行や再発胃癌患者を対象としたセカンドライン治療としてのフェーズ2試験結果について、昨年の日本胃癌学会で発表された。

奏効率は27.8%、副次評価項目の無増悪生存期間の中央値は2.9カ月、全生存期間中央値では9.2カ月であった。
非小細胞肺癌患者へのファーストライン治療としてのフェーズ3試験では、昨年の米国臨床腫瘍学会で発表された。その際にパクリタキセル+カルボプラチン投与の場合に比べると高いということが報告されている。(福田絵美子)

▼外部リンク

 ニュースリリース
http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2013/20130221.html

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