■薬剤師の派遣拡大も浮上
この日の会合では、「健康・医療」を規制改革の重点分野として取り組むことを確認。その中で、情報通信技術の利活用例として処方箋の電子化を提起した。
処方箋は、紙媒体のものを患者が薬局に提出し、服薬指導と共に薬を受け取ることが原則とされている。現在、電子的な交付、提出は認められていないが、情報通信技術を活用した非対面での服薬指導、処方箋受け取りの省力化、遠隔地からの薬の注文・処方の実現など、患者の利便性向上を求めている。
ただ、医療用医薬品の受け取りは、薬局に処方箋を提出した患者が薬剤師から服薬指導を受けることが前提となっており、非対面での服薬指導をめぐっては議論を呼びそうだ。
厚労省の検討会がスタートした一般薬のインターネット販売については「ルールは整備されていない」とし、販売履歴の管理、購入量の制限など、一定の安全性を確保しながらルールを整備すべきとした。
また、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が行っている高度医療機器の承認審査について、デバイスラグ解消の観点から、民間の登録認証機関が審査・認証を行えるようにすべきとし、承認業務の民間開放を迫った。ドラッグラグ解消の観点から、申請者が収集した治験開始前の臨床試験データについて、一定条件下で治験データとして活用することを認めるべきではないかと提案した。
保険診療と保険外診療の併用、いわゆる混合診療についても、再生医療などの先進医療技術まで範囲を拡大すべきとし、混合診療の拡大を求めた。再生医療の推進も提示し、研究に用いる細胞を円滑に入手できる仕組みの構築や医工連携による細胞加工の外部委託を可能とするルール整備などを求めている。
一方、「雇用」分野では、薬剤師等の派遣拡大を提言した。現在、医療関係者の派遣は、紹介予定派遣や産前産後休業、育児休業などの代替派遣、社会福祉施設等で行われるものに限って認められている。
これらに加え、医師については、都道府県の医療対策協議会が協議し、必要と認められた病院、診療所で、厚生労働大臣が定めた施設で行われる業務に限り、派遣が認められている。これを薬剤師等の医療関連業務に拡大する方向性を提言している。
今後、同会議は、政府が6月をメドにまとめる成長戦略に反映させる改革課題を議論するため、月内にも開く次回会合で具体的に検討する項目を決めるほか、WGや本会議で議論する緊急性の高い項目を整理する。