花粉症はこの数十年で急激に増加してきている疾患で、未だ小児や乳幼児に対して行われている調査が少ない状態でしたが、近年様々な報告が行われるようになり、少しずつメカニズムが理解されてきています。
昨年のオーストラリアからの報告では、赤ちゃんが花粉にさらされた月齢によって、その後子ども時代のアレルギー症状の出方に違いがあることが分かりました。
3ヶ月から6ヶ月の乳児が花粉にさらされると、食品や大気中物質への感受性が2歳の時点で増し、6-7歳の時点では花粉症や喘息の症状を示すことが多い。
1990年から1994年に生まれた、620人の新生児について家族歴や、喘息、花粉症、アトピーなどのアレルギー症状、牛乳、卵白、ピーナツ、ハウスダストなど一般的なアレルゲンについての状況を調べました。
すると、6ヶ月までに高濃度の花粉にさらされると、大気中物資への過敏性が2歳になった時点で増すことが分かりました。特に3ヶ月の時に花粉にさらされると、この度合いが高まるとされています。
一方、3ヶ月までに継続的に花粉にさらされていた場合は、小学校入学の頃にあたる6-7歳で、花粉症の発症率が高く、4ヶ月から6ヶ月の間に継続的に花粉にさらされていた場合は、同じ時期に、喘息にかかる子どもが多く見られました。
この調査で、花粉にさらされる時期によって、その後のアレルギー症状の出方に違いがあったことは、発達の段階によって異なる反応が起こることを示しているとして、今後のアレルギーについての調査に貢献することが期待されています。(唐土 ミツル)
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Persistent pollen exposure during infancy is associated with increased risk of subsequent childhood asthma and hay fever
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/