官民連携で新会社設立し開発を後押し
第一三共株式会社は、株式会社産業革新機構などの共同投資による新会社を設立し、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の開発を行うと発表した。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、新生男児の約3,500人に1人が統計的に発症する遺伝性の疾患。3歳前後で軽度の自立障害が始まり次第に筋萎縮が進行。最終的には、心不全や呼吸不全等により20~30歳代で死に至る難病とされている。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの発症原因は、患者の筋細胞においてジストロフィンタンパク質が産生されないためであることは分かっているが、有効な治療法は確立されていない。
(ジストロフィン Wikiメディアより引用)
2020年の製造販売承認を目指す
産業革新機構は、新会社の第三者割当を引受け、16億5000万円を上限に投資を行う。また、新会社は三菱UFJキャピタル株式会社の運用するファンドに第三者割当増資を行う予定である。
神戸学院大学総合リハビリテーション学部の松尾雅文教授と、神戸大学大学院医学研究科の竹島泰弘特命教授は、エキソンスキッピングと呼ばれる誘導療法を用いて、病気の進行を遅らせることで患者の延命を図るDMD治療法を世界で初めて発明しているが、第一三共と新会社は、両教授らの協力を得ながら、共同開発を行っていく。(吉沢実香)
▼外部リンク
第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/004570.html
株式会社産業革新機構
http://www.incj.co.jp/investment/info.html
ご参考:神戸大学 デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する新しい低分子治療薬を発見
http://www.med.kobe-u.ac.jp/