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厚生労働省、SFTSを4類感染症に指定―国内で新たに2人の死亡確認

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2013年02月15日 AM10:24

厚生労働省は13日、国内で初めて確認されたダニ媒介性の感染症「重症熱性血小板減少症候群()」について、新たに2人が死亡していたことを明らかにした。同日、厚生科学審議会感染症分科会の感染症部会を開き、SFTSを感染症法の4類感染症に政令で位置づけると共に、所持を届け出る3種病原体等に指定することを決めた。緊急性が高いことから、早急に意見募集を行い、3月上旬に改正政令の施行を目指す。

SFTSの取り扱いを審議した厚科審の感染症部会

■ウイルスも規制対象

SFTSは、中国で2009年に発生が報告され、昨年原因ウイルスが特定された新しいダニ媒介性感染症。国内でも1月、国立感染症研究所の検査結果で、山口県の成人患者1人が昨秋にSFTSで死亡していたことが判明。さらに今回、愛媛県と宮崎県の成人男性2人が昨秋に死亡していたことが明らかになった。

同日の感染症部会に参考人として出席した国立感染症研究所ウイルス第1部の西條政幸部長は、「ダニに咬まれた既往は、はっきりしていない。日本でどの種類のダニがウイルスを持っているか、今後の調査を待たなければならない」と述べた。現時点で感染研は、9人の疑い例を引き受け、4人の検査を実施。うち2人をSFTSと確定した。

この日の部会で厚労省は、国内1例目の解析を踏まえ、以前から国内にSFTSウイルスが存在していたと考えられること、ウイルスを媒介するマダニ類は国内全域に分布することなどを指摘。SFTSの発生・蔓延予防を図るため、4類感染症に指定することを提案し、了承された。SFTSを政令に規定することで、医師による迅速な届け出や標準予防策の周知徹底等の措置を実施できるようになる。

また、SFTSウイルスは、昨年に特定された新しいウイルスであることから、国際的にも規制対象とされていない。ただ、SFTSの特徴や同じブニヤウイルス科に属するリフトバレー熱ウイルス、ダニ媒介性感染症の病原体である日本紅斑熱リケッチア等の分類を踏まえ、国が所持や運搬の届け出等の措置を実施できる3種病原体等に指定することを提案し、了承された。

賀来満夫委員(東北大学大学院医学研究科教授)は「標準予防策に接触予防策を加えた方が良いのではないか」と提案すると共に、SFTSの診断に当たっては、ペット飼育や行楽の既往を把握する必要があると指摘。臨床経過の詳細な調査を要望した。

今後、春から秋にかけてマダニの活動が活発になることから、厚労省は4類感染症、3種病原体等の指定を緊急性が高いと判断。13日から意見募集を開始し、3月上旬に改正法政令の施行を目指して準備を進めていく。

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