オーガニックや、ナチュラルといったキーワードは、健康や美容の情報のキーワードとして年々認知度を上げています。
特にオリーブオイルは、不飽和脂肪酸のヘルシーな油として、食用以外にも様々な用途で活用されており、ヘアケア製品も多く見られています。
ところが、オリーブオイルを使ったケアで、効果が見込めない可能性のあるものがあります。頭皮、特にフケに関するケアなのです。
フケの原因はいくつかありますが、このうち脂漏性皮膚炎といわれるものがあります。典型的なものとしては、赤ちゃんの頭皮で、過剰な脂肪分がフケのようになってしまうものです。赤ちゃんの場合、皮脂の分泌は、ある程度月齢が重ねられると、落ち着いてきて自然に改善することも多いものですが、大人でも皮脂の分泌が過剰で脂漏性皮膚炎からのフケに悩まされている人もいます。
これまで、脂漏性皮膚炎でフケを取り除き、頭皮の清潔を保つには、脂を頭皮につけて15分程度おき、フケがふやけたところで、お湯などで洗い流すという方法が一般的でした。そして、肌に優しい油として、オリーブオイル、その他の植物性オイル、そしてベビーオイルに代表されるミネラルオイルが使われてきました。
ところが、昨年8月にArchives of Pediatric and Adolescent Medicineによると、皮脂の中で繁殖する菌は、植物性の油も栄養分にしてしまうことが指摘されました。このため、特にフケに関する頭皮のケアでは、細菌が栄養分として利用できないミネラルオイルの方が適していることが指摘されていたのです。
万能選手と考えられていたオリーブオイルも、使いようによっては効果的な結果が得られないことがあります。きちんとした知識に基づいて、目的にあったものを活用することで、健康や美容が維持できるんですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Use of Olive Oil for the Treatment of Seborrheic Dermatitis in Children
https://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1308503