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厚生省 ダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群」 新たな死亡者を発表

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2013年02月15日 AM09:13

2名の死亡が判明

厚生労働省は、新しいダニ媒介性疾患(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)」の症例が、山口県で初めて確認されたことから、2013年1月30日付けで医療機関に対し情報提供を求めていたが、新たに2名が死亡していたことが判明したと発表した。

死亡した2名は、愛媛県と宮崎県の成人男性。2名とも、最近の海外渡航歴はないとのこと。

SFTSは、

原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)

を引き起こし、潜伏期間はマダニに咬まれてから6日~2週間程度となる。

(マダニの一種 Wikiメディアより引用)

感染経路はいずれも不明

宮崎県によると、死亡した男性は、昨年秋に

発熱、頭痛、消化器症状(下痢、下血)、食欲不振、全身倦怠感、筋肉痛。マダニによる刺し口なし、発疹なし。

という症状があり、その後死亡。主治医は、ツツガムシ病を疑い、県衛生環境研究所に検査を依頼していた。(ツツガムシ病・日本紅斑熱の原因となるリケッチアは確認されていない)

主治医は、2月1日に厚生労働省に情報提供を行うとともに、衛生環境研究所保存の検体を国立感染症研究所に送付。2月12日に、SFTS ウイルスであることが確定した。

なお、厚生労働省では、引き続き情報提供を求めている。

【情報提供を求める患者の要件】
38 度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10 万/mm
3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDH のいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する、若
しくは要した、又は死亡した者。
ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。

治療の際は、感染患者の血液・体液との接触感染も報告されていることから、標準予防策の遵守が重要となるので、くれぐれも注意をして欲しい。(吉沢実香)

▼外部リンク

厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者の国内での確認状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002v5pa.html

平成25年2月13日:厚生労働省結核感染症課事務連絡「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での確認状況について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/

宮崎県プレスリリース資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/

愛媛県プレスリリース資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/

ご参考:IDWR 感染症の話 ツツガムシ病
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/

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