お酒を炭酸で割る飲み方は、世界中あちこちで楽しまれています。ここ数年では、健康を気遣ってカロリーを控えるためにダイエットタイプの炭酸飲料を使っている人も多く見られるようになってきました。
ところが、お酒を割るときに、ダイエットドリンクを使うか、普通の炭酸飲料を使うかで、お酒の吸収分解に差が出ることが分かったのです。
お酒にダイエットタイプの炭酸飲料を混ぜるか、レギュラータイプの炭酸飲料を混ぜるかで、胃が空になるかどうかを超音波画像診断を使って追跡した研究は、すでに2006年に発表されています。
レギュラータイプで割ったものを飲んだ場合、アルコール吸収は、ダイエットタイプよりもゆっくりでした。これは炭酸飲料に含まれる糖分のために、食べ物を食べながら飲んでいるのに近い状況となり、アルコールが小腸に達するまでの時間が延長されたことが原因とみられています。一方、ダイエットタイプに入っている甘味料では、アルコールがすぐに小腸に到達していました。
昨年12月に発表された調査では、21歳から33歳の16人を対象に、呼気アルコール濃度を測定しました。すると、飲酒後40分で、ダイエットタイプを使った人たちは、他の人たちよりも呼気アルコール濃度が約18%に高かったのです。
また、指示に応じるまでの時間で酩酊状態を評価するテストでも、ダイエットソーダで割った人の結果は奮わず、お酒の吸収分解が阻害されることが示唆されていました。
研究の規模としては小さいので、科学的な信頼度としては正直あまり高いとは言えませんが、過去の研究などとあわせ見ても、ダイエットドリンクはカロリーこそ低いものの、アルコールの分解の点では健康的とは言いがたいとの結果になりました。今後は対象数を増やしたり、血中アルコール濃度などの他のベンチマークを使ったりしながら更に詳しく調べる必要があります。
カロリーを控えることは健康のためであるのに、ダイエットドリンクを飲むことでアルコールの毒素の排出に滞りがあっては本末転倒と言えます。この調査結果が広まることで、お酒を楽しむ人たちが、健康面からの飲み方をもう一度考えるきっかけになればと思います。
▼外部リンク
Artificially Sweetened Versus Regular Mixers Increase Gastric Emptying and Alcohol Absorption
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/
Artificial Sweeteners Versus Regular Mixers Increase Breath Alcohol Concentrations in Male and Female Social Drinkers
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/