■15年度入学の学生から適用
日本薬学会は7日、「薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会」にコアカリの改訂案を提示した。大項目をA(基本事項)、B(薬学と社会)、C(薬学基礎教育)、D(衛生薬学教育)、E(医療薬学教育)、F(薬学臨床教育)、G(薬学研究)――の7領域で組み立てる考え方を示している。また、関連団体へのアンケート調査などを踏まえ、新コアカリを2013年度の早い段階で決定するスケジュールや、新コアカリを2015年度に入学する学生から適用することも確認した。
これまで「薬学系人材養成のあり方に関する検討会」では、6年制薬学教育への導入という点を明確化するため、大項目のBを「導入教育」としていたが、導入教育には6年間を通して履修すべき内容も含まれるため、Bを「薬学と社会」と変更し、Dの「衛生薬学・社会薬学教育」から社会薬学の部分をBへ移動して編成し直した。
現行のコアカリで、D1:実務実習事前学習、D2:病院実習、D3:薬局実習に分かれていた項目を、F:薬学臨床教育に集約。病院実習と薬局実習で重複していた項目を減らす案となっている。
また、大項目の下の中項目の組み立ても示した。A:基本事項は「薬剤師の使命」など五つ、B:薬学と社会は「社会保障制度と医療経済」など三つ、C:薬学基礎教育は「物質の物理的性質」など八つの中項目で構成する案を示した。
D1:実務実習事前学習の項目をなくすことに伴い、薬学会では、改訂案のE:医療薬学教育に組み入れる項目と、F:薬学臨床教育に組み入れるべき項目との棲み分けを検討している。
検討内容が固まり次第、委員会のメンバーが最終確認を行った上で、大学をはじめ「新薬剤師養成問題懇談会」の参加団体、日本製薬工業協会にアンケート調査を実施。アンケート結果を踏まえて文言修正し、パブリックコメントにかけて、新コアカリを13年度の早い段階で決定するスケジュールを確認した。
■実務実習は別途検討へ
この日の委員会では、新コアカリに則した実務実習を円滑に行うための検討の場を設けることが提案され、議論が行われた。
現在の実務実習では、指導薬剤師、実習施設によって学生が学べる内容が異なってしまう点や、このままでは薬学会が協議を進めているF:薬学臨床教育に則した実習を行うことは難しい点、Fに新たな項目を追加することなども考えられるため、「実務実習のレベルを上げることを検討していただきたい」などの意見が出され、委員会として検討を行うことを確認した。