ビタミンサプリメントの効果について検証
ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントは、野菜や果物の代替にはならないという結果が出た。韓国ソウル大学校のSeung-Kwon Myung氏らは、ビタミンや抗酸化サプリメントの心血管イベントに対してどのような影響がでるのかということを調べた。この試験については、BMJ誌2013年1月18日号に載っている。
野菜や果物を積極的に食べると、心血管リスクが低下するということはよく知られている。これまでビタミンや抗酸化物質をサプリメントとして使用した場合の血管イベントへの影響を調べる試験がこれまでに何回も行われてきた。だが信頼できる結果は、得られてこなかった。
著者らは、ビタミンサプリメントと抗酸化サプリメントが心血管疾患を予防する効果があるのかということを評価するために、システマテックレビューとメタアナリシスというような試験を行った。
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ビタミンサプリメントは心血管イベントに効果がないことが判明
PubMed、EMBASE、コクランライブラリ、Scopus、CINAHL、ClinicalTrial.govに登録済みの研究の中から、ビタミンまたは抗酸化サプリメントの効果だけを評価し、追跡期間が6カ月以上であった50件分を抽出して分析した。これらのデータには29万4478人が登録され、うち15万6663人が介入群、13万7815人が対照群に分かれていた。
追跡期間は6カ月~1年間。評価対象は、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、βカロテン、葉酸、セレンで、単剤投与もしくは併用されているものがほとんどであった。
その結果、ビタミンサプリメントや抗酸化サプリメントの使用と主要な心血管イベントの間には関係は見られなかった。
サブグループ解析でも同じようにデータを解析したのだが、同じ結果であった。
著者らは、「慎重に今回の検証を行った結果、ビタミンサプリメントならびに抗酸化サプリメントの使用が心血管疾患を予防することを支持する結果は得られなかった」と述べている。 (福田絵美子)
▼外部リンク
BMJ誌2013年1月18日号
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f10