医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 大鵬薬品、膵がん切除後患者における第3相試験結果発表

大鵬薬品、膵がん切除後患者における第3相試験結果発表

読了時間:約 1分6秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年02月10日 AM07:13

膵がんは、消化器がんのなかで最も予後不良のがんである。膵臓は胃の裏側に位置し、十二指腸とくっついていて、脾臓まで横に細長くなっている後腹膜の臓器であるため、早期発見が困難であり、たとえば2 cm以下の小さながんであっても、すぐに周囲への浸潤や、近くのリンパ節への転移、肝臓などへの遠隔転移を伴うことが多い、悪性度の高いがんである。

(画像はウィキメディアより)

切除後の補助化学療法に関する第3相試験結果

大鵬薬品工業は、膵がん切除後の補助化学療法における塩酸ゲムシタビン(療法とS-1(以下TS-1)療法の第3相比較試験の結果を発表した。本試験は、33施設において、膵がん切除後(UICC stage II以下、もしくは腹腔動脈合併切除を施行したstage III)の患者385例を、塩酸ゲムシタビン単独投与群と、経口抗がん剤であるTS-1単独投与群の2つの群に割り付けた。主要評価項目は全生存期間で、塩酸ゲムシタビン単独投与群は、1,000 mg/m2の塩酸ゲムシタビンを1日目、8日目および15日目に点滴静注し、22 日目は休薬する28 日を1コースとし、6ヶ月間投与した。 TS-1 単独投与群は体表面積に合わせて規定された投与量(80 mg、100 mg、12 0mg/日)を1日2回、28日間連続経口投与し、その後14日間休薬する42日を1コースとし、4コース(6ヶ月間)まで実施した。

その結果、膵がん切除後の補助化学療法としての標準治療薬である塩酸ゲムシタビン単剤に対して、TS-1単剤の全生存期間における優越性が証明され、TS-1が生存期間を大幅に延長させることを示した。(堤朝子)

▼外部リンク

大鵬薬品 ニュースリリース 2013年1月28日
http://www.taiho.co.jp/2013/20130128.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか