■県内全薬局を調査
兵庫県が県内の全薬局を対象に、ジェネリック薬(GE薬)から先発品に戻した事例を調査した結果、変更理由の第1位は「処方元の要望」だったことが分かった。先発品に戻った1557事例のうち27・2%は、医師の意向によるものだった。4日に神戸市内で開かれた兵庫県薬事審議会で報告された。
兵庫県は、GE薬の品質確保対策として県内2413薬局を対象に昨年4月から3カ月間、GE薬から先発品に戻った事例を収集。243薬局から1557件の変更事例が報告された。
その原因を把握するため、変更理由を聞いたところ、[1]処方元の要望(27・2%)[2]効果(20・0%)[3]なんとなく(17・5%)[4]使用感(15・9%)[5]副作用(7・8%)――の順に多かった。
この調査では、処方医がなぜ先発品に戻すよう求めたのかまでは明らかになっていない。また、効果や副作用などは患者の訴え等によるもので、バイアスや思い込みが含まれている可能性があるという。
内服薬の薬効別変更件数については、[1]消化性潰瘍剤(13・5%)[2]NSAIDs(11・0%)[3]抗生物質(10・3%)[4]骨・Ca代謝剤(9・2%)[5]抗不安薬(7・5%)――の順に多かった。
外用薬については、NSAIDs製剤の変更事例が全体の約8割を占めた。特定のGE薬について「皮膚からはがれやすい」という訴えが多かったという。
兵庫県は、GE薬から先発品に戻った事例のうち報告が多かった成分などを対象に、兵庫県立健康生活科学研究所健康科学研究センターで科学的な検証を計画。10成分63製剤について溶出試験を実施している。早ければ今年度中にその結果が出る見通しだ。
同審議会ではこのほか、兵庫県のGE薬の数量シェアは、2012年10月時点で25・6%となり、前年同期に比べ2・4ポイント伸びたが、国が目標として掲げる30%には到達していないことが報告された。