花粉症の低年齢化
ロート製薬株式会社が0~16歳の子どもをもつ父母に「子どもの花粉症」のアンケートを実施し、父母2587人、その子ども4371人から得た調査結果をまとめた。
「花粉症だと思う」は25.7%、4人に1人の子どもが花粉症だと実感している。「通年性アレルギー性鼻炎」か「花粉症」のいずれかでは全体の約4割が発症している。花粉症の発症年齢は5歳までの発症が36.6%、10歳までは69.3%。低年齢化の実態が数字に表れた。
花粉症シーズン中に子どもの花粉症対策を「していない」が51.0%。「病院へ行く」は32.4%、「マスクなどで花粉をさける」が25.9%。「マスクをしたがらない」「薬をのむと眠くなってしまう」など、子どもの対策に悩む姿が見られる。
小児科の末廣豊医師によると、花粉症の子どもは鼻水やくしゃみの特徴よりもぼーっとした状態となるためその症状がわかりづらい。集中力が低下するから注意してあげることが必要という。
発症すると自然治癒は難しいので、なるべく発症予防を心がけたい。乳幼児期から花粉を回避すること、それでも発症したら花粉情報に注意して早めに予防治療を行うことが大事になる。
「衛生仮説」があてはまる?
両親がともに花粉症の子どもは43.2%が発症、「父親のみ」は23.4%、「母親のみ」は32.8%、どちらも花粉症ではない場合は11.6%。親のアレルギー体質が子どもに遺伝し、花粉症では特に母親の影響が大きいようだ。
さらに出生順が花粉症と関連することもわかった。10~16歳の子どもに限定して出生順と発症をたずねた結果、花粉症だと答えた子どものうち第1子が39.7%、第2子が29.2%、第3子が28.6%だった。
第1子が最もアレルギー体質になりやすく第2、第3子はかかりにくい傾向を末廣氏は「衛生仮説」を支持する興味深い結果と見る。現代社会のアレルギー疾患の増加を説明する有力な説で、第2、第3子と兄弟姉妹が増えると上の子から感染症をもらうためアレルギー体質になりにくいという。
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